この問題の根本にあるのが、龍馬殺しがあると考えます。

皆さんも、知っての通り新撰組の仕業に見せかけて、京都見廻組に龍馬は殺されました。

では、新撰組を率いていたのはどの藩か、考えて見ると会津ということになります。

では、龍馬を殺してまで会津を潰す口実がほしかったのは誰か?

それは、大久保しかいません。

龍馬は、皆さんも知っての通り、戦無しで国を変えようと考えていました。

しかし、大久保は何としても、徳川を倒し、邪魔な会津を片付けたかった。

だとすれば、大政奉還の黒幕である龍馬の居場所を京都見廻組に教えて始末させた。

京都見廻組は、幕臣として会津に従っていました。

八重の桜で本来なら、京都見廻組も龍馬も、出すべきだったんですよ。

そうすれば、会津征伐の理由がはっきりします。

そう、龍馬とは帯刀も西郷も長州も、そして、薩長と同等の立場で介入したい土佐にとっても、重要な存在です。

ただし、大久保だけは龍馬が目障りだった。

だから、土佐を本気で動かすためにも、龍馬殺しは欠かせなかったというわけです。

京都見廻組は、幕臣である以上、徳川の大奥には薩摩の天璋院がいます。

名君斉彬は、薩摩の誰もが尊敬する存在、そして、斉彬が大奥に送り込んだのが天璋院。

だから、京都見廻組は龍馬さえ殺せば何とかなるみたいな感じで、大久保に騙された。

何かあっても、新撰組に罪を着せることで、会津と新撰組に矛先がいくようにする。

龍馬殺しの黒幕が、松平容保だったという筋書きにしてしまえば、後で会津を潰す決定的な口実をつくることができ、龍馬を殺した黒幕が容保なら、会津征伐に反対する者はいないどころが、容保の首を取るまでは、戦は止めないと士気を高めることができる。

近藤が、龍馬殺しの罪で土佐の意向で殺されたように、全て大久保のシナリオ通りに進んだ。


そして、江戸の無血開城も、もしかしたら、大久保の計算の中に入っていたのかもしれません。

天璋院は、大久保も心から尊敬する名君の姫。

それは、明治維新の後、名君が目指したものを、大久保がやってることでも明らかです。

後は、邪魔な会津を倒せばことがなる。


西郷が今井信郎を庇ったのは、龍馬殺しの黒幕が、大久保と考えるのが、自然な推測です。

では何故、今まで大久保が、黒幕だと思わなかったか、何故、京都見廻組が、大久保に龍馬の居場所を教えられたのを黙っていたのかが、引っかかったからです。

つまり、薩摩自身が仕組んだことと京都見廻組も思い込んでいたとしたら、問題は解決します。

つまり、龍馬の居場所を教えてきた薩摩の人間のことしか、京都見廻組は知らなかったということです。

これが、薩摩自身が龍馬を消そうと考えたように見せかけたことだったとしたら、だから、京都見廻組は言えなかった。

薩摩自身が仕組んだことなら、京都見廻組が話したところで、蜥蜴の尻尾で聞いた者も終らせるでしょう。(表沙汰にはできませんから)

それが、大久保の仕組んだことだと私は考えます。