ユリアは信玄の修行後、信玄を日本に戻した後、背後からある人物が現れた。

「アマラ兄さん、また、気配を消して見てたのね?」

そこに長身の男で強い目力をもった男が、気配を見せた。

「ああ、信玄様がどれだけ強くなるかユリア様に、報告する必要があるからな」

間をおいて

「カーリー、信玄様にあんなはったりを言ったのは何故だ?」

「ユリア様に、真実は明かすなという命令を受けてたから、つい・・・・・・」

ゴンと拳骨が頭に落ちた。

「馬鹿野郎!お前はユリア様に変装してるんだぞ!

あんな馬鹿馬鹿しい、嘘をついて、偉大なるユリア様を汚す気か!

もっと自覚をもて。ユリア様の懐刀としての自覚を!」

私達兄妹は、オリジナルのユリア様の最強の懐刀。

宰相の娘であるアルテナ様ですら知らない。

ディオス様直々の命令だった。

ディオス様に変装してるのは大神オーディンだった。

そう、全ては真の巨悪を欺くための策だった。

私達は、宰相ディオスと星神族宰相の血を引き、大神オーディンと星神族皇帝によって、力を与えられた。

全ては偉大なるユリア様のために。

大神オーディンは、暗殺されることを読み取り、ディオスに変装して、ユリア様とレナ様を連れてガイアと共に、カンヘル神のところに身を隠した。

そして、星神族にガイアが戻ったことにし、影武者をたてた。

これには一石三鳥の理由がある。

大神オーディンの命を助け、オーディンの影武者を殺したプロメテウスを追いかけたレインが、エンリルと会うことで、オーディン族を敵にまわしてはいけないと思わせることで、後のユリアに優位にことが進むようになることを読みきった上での行動だった。

そして、もう一つはオーディンとガイアが、その間にユリアとレナを修行させる。

カンヘル族の修行場の一年は、外では一日にすぎない。

それを、利用したのだ。

十六歳になったユリアはラクールに戻り、レナは未来にこの時点で送られた。

レナでは足手まといになると同時に、レナの真の才能を隠すためだ。

そして、私とアマラの二人が懐刀に選ばれ力を与えられたのもその時だ。

ガイア様は、星神族を守るために星神族に戻った。

星神族は、シャイン族と対立した上にホルスという一族と対立してる状況だった。

ラクールで、アッシュールが敵だと気づかずに城に招き入れた敵が、三歳に術で戻ったユリア様の命を、夜、狙った。

ユリア様の寝室が、戦場になったと思ったら、ユリア様は異世界に敵と共に行った。

「我は龍神族のイーアペトス。

ユリア皇女、お前は全てを我らが手に入れるために邪魔な存在だ。

我らが主は、全ての神を倒し、全てを手に入れる力を手に入れた。

後は邪魔者を始末し、全てを手に入れるだけだ!」

龍神族とは、全ての神の最強の腹心にして、全ての一族を束ねる恐るべき存在なのだ。

その龍神族が、全ての神に反逆して倒し、全てを手に入れるために動き出した。

ユリアは、イーアペトスと草薙の剣をもって立ち向かった。

勝負は五分五分だった。

ユリアは斬鉄剣を出すも、かわされて、龍神族奥義をイーアペトスは放った。

ユリアはかわして、星神族奥義と光神族奥義を同時に放ったが、それをもイーアペトスはかわした。

その瞬間に、ユリアは斬鉄剣で切り裂いた。

新たな敵が現れたが、背後からレインが斬鉄剣で切り裂いた。

レインには、異世界に移動する能力があり、気配があれば異世界でも、気づく。

「ユリア、大丈夫か?」

ユリアはガクっと肩を落とした。

レインはユリアをお姫様抱っこして、元の世界に戻り、ユリアを回復させて、異世界に行く術と草薙の剣を完璧に使いこなすための修行をさせた。

ちなみに、シャイン族に攻め込んだユリアは、ユリアのクローンだ。

そして、冥神族は龍神族が造った最強の一族。

龍神族は全てを冥神族が、やったようにし、冥神族も、シャイン族がやったように見せかけ、完全に欺かれてしまったのだ。

そして、ユリアを殺すために冥神族皇帝(後のフィクサー)自ら動いて異世界に移動して、壮絶な戦いが始まった。

両者共に一歩も譲らなかった。

だが、ユリアの方が強く敵を追い詰めていった。

だが、そこに恐るべき敵が姿を現した。

龍神族皇帝の片腕、名をオメテオトル。

ユリアは渾身の力を込めて草薙の剣を使って奥義を放った。

そこには、魂が込もっていた。

オメテオトルを倒し、冥神族皇帝を人間の肉体にし、ユリアは草薙の剣の力で元の世界に戻った。

だが、ユリアの力は半分以下にこの戦いで落ちてしまい、レインはユリアを未来に送り、自分も未来に向かった。

レインは、ユリアの懐刀にユリアの代わりに動くように命じた。

だから、クローンと懐刀が動いているのだ。

オリジナルのユリアの存在を完璧に隠すために。

そして、大神オーディンも、未来に行った。

全ては未来のために。

カンヘルは、龍神族を自分の造った世界に閉じ込めて、皇帝の力を命と引き換えに封じた。

そして、タムリンが強力な結界を張り、敵は力を使えなくなったものの、世界の歴史を動かす存在になった。

そして、全ては冥神族が牛耳ってることにされた。

ちなみに、この前の龍神族騒動は、ホルスが龍神族を引きずり出すために龍神族の名を語っただけのことなのだ。

それでは生ぬるい。

龍神族の恐ろしさは、そんなものではない。

私達、懐刀の役割はとてつもなく大きい。

ちなみにホルスが、あのタイミングで星神族に攻め込んだのも、龍神族の策略だった。

龍神族は星神族を、どの一族よりも恐れているのだ。

だから、ユリア様は狙われていて、イーアペトスの息子の手でガイア様は殺された。

ちなみに今、イーアペトスの名を語ってるのもガイア様の仇だ。

龍神族は冥神族を、監視しているというわけだ。

私は、オーディン様の狙いはエンリルを使って龍神族に反逆させる狙いが、確実にあると思ってる。

だから、ユリア様の最強のクローンにエンリルに近づかせたのだ。

見事にクローンはエンリルの信頼を得た。

信玄様も翔子様も、力をつけた。

ここまでは、カンヘル神とオーディン様の筋書き通りだ。

ここからが、本当の戦いだ。

兄のアマラが、ラクール王国にいるのは、ここの宰相を監視しているからだ。

ここの宰相は、レナ様を信用させる芝居をしていたが、本当は龍神族の幹部の一人なのだ。

我が故郷を、必ず取り返す!

偉大なる主、ユリア様のために。