私は小野島に笑みを浮かべて
「残念でした。今、私が動いてるのは父の指示ですよ。
それとこの場でコードネームを呼ぶのはやめていただきましょうか。
じゃないとあなたを始末しなければならなくなりますから」
小野島は、私の事をよく知っていた。
何故私がセクメトと呼ばれているのか。
それは、私は悪人・正確には組織の裏切り者や凶悪な組織の人間を、多く殺めてきた。
それだけに、他の組織や内部の人間から死神として恐れられていた。
だから、フラカンは私のコードネームをセクメトとつけた。
だから、小野島は私を怯えた表情で
「わかった。それで今日の用は?」
表情を元に戻して
「火野の様子はどうですか?」
小野島は表情を戻して
「火野は、織田啓二の威光を笠にきて好き放題だ。
織田啓二の隠し子だからな」
私は溜め息をつきながら
「やっぱり、火野は始末する必要があるかもね。
亡き真田警部殺しの示唆をしたといわれてる人物でもあるしね」
小野島は笑みを浮かべながら
「それは止めとけ。織田啓二の恐ろしさは、お前の方がわかってるはずだ。
それに堺刑事局長も本気で、お前を追うことになるだろうかな。
政界の圧力も半端じゃないしな」
私は笑みを浮かべて
「実は組織は、警察庁を警察省にするために堺刑事局長に協力するつもりなのよ。
わかりますよね?小野島官房長」
と最後の方はギロっと見てやった。
小野島のゴクリという唾を、飲む音が聞こえてきた。
「つまり、火野を私に始末しろということか?」
「いや、あなたはもしもの時は事件をもみ消せばいい。
火野はデスに始末させるから。
簡単でしょ?
火野の遺体は見つからず、デスがそのまま火野になりすます。
遺体が出てこなければ警察は捜査すらできない。
織田啓二の息の根を止めるチャンスだしね。
だから、あなたは堺局長と協力して警察庁を警察省にするために動いて。
そして、邪魔する者は全て排除して」
火野は、こう見えてかなりの臆病者だ。
もちろん、私がフラカンの側近だからというのもあるのだが・・・・・・。
その後、デスはすぐに犯行を終えて成り済ました。
デスは上手く化けてみせた。
デスは、私の片腕といっていいほど信頼のおける腹心なのだ。
デスはその後、実行犯を使って邪魔者を排除することになる。
それが、後の警察省につながっていくことになるのだ。
私は、織田啓二を心の底から憎んでいた。
私の両親の交通事故は、交通事故に見せかけた殺人だった。
事故車両の資料を、極秘に私は手に入れた。
私の父は刑事で、織田啓二を追っていたらしい。
その間に殺されたのだ。
事故に見せかけて。
だが、織田啓二は大物すぎて手の出せる相手じゃなかった。
だから、私はじっくりいくことにしていた。
奴の息の根をこの手で必ず止める。
ただし、ただ殺すのではなく奴の悪事を公にしたところで殺されなければ意味はない。
そのためには、織田啓二の側近に近づかなければならない。
だから、デスに成り済ましてもらったのだ。
私は、各省庁の幹部の連絡役として動くことで奴につながる人間を探していた。
何故なら、そういうところに巨悪が存在するケースが多いから。
もちろん、末端に化けて怪しまれないところにいるケースもあるが・・・・・・。
そして、文部科学省にいる怪物に出会った。
文部科学審議官の土田哲郎、又の名をカオスといった。
カオスは私を見ると
「君がセクメトか。フラカンから聞いてるよ」
私は、この男の威圧感に圧倒されて声も出なかった。
私が怯えているのを感じとってカオスは
「たいした女だ。私の威圧感だけで恐ろしさを見抜くとはな。
それが君の凄さだ。
だから、フラカンは認めたんだ君をな」
私は冷静さを取り戻して
「カオスともあろう人に誉められるとは思いませんでしたよ。
噂じゃ、あの月島望と互角に渡り合った唯一の人物ですもんね」
カオスは初めて表情を変えた。
「ああ、私が唯一、ライバルと認めた男だ。
だが、奴は死んでしまった。
私は、どんなことがあろうと犯人と黒幕をこの手で殺す!
君が、福岡で追い詰めた奴らは末端の連中に過ぎん。
それを覚えておけ」
私は強い衝撃を受けた。
アテナのコードネームを捨ててまで戦った私にとってとてつもなく虚しかった。
「残念でした。今、私が動いてるのは父の指示ですよ。
それとこの場でコードネームを呼ぶのはやめていただきましょうか。
じゃないとあなたを始末しなければならなくなりますから」
小野島は、私の事をよく知っていた。
何故私がセクメトと呼ばれているのか。
それは、私は悪人・正確には組織の裏切り者や凶悪な組織の人間を、多く殺めてきた。
それだけに、他の組織や内部の人間から死神として恐れられていた。
だから、フラカンは私のコードネームをセクメトとつけた。
だから、小野島は私を怯えた表情で
「わかった。それで今日の用は?」
表情を元に戻して
「火野の様子はどうですか?」
小野島は表情を戻して
「火野は、織田啓二の威光を笠にきて好き放題だ。
織田啓二の隠し子だからな」
私は溜め息をつきながら
「やっぱり、火野は始末する必要があるかもね。
亡き真田警部殺しの示唆をしたといわれてる人物でもあるしね」
小野島は笑みを浮かべながら
「それは止めとけ。織田啓二の恐ろしさは、お前の方がわかってるはずだ。
それに堺刑事局長も本気で、お前を追うことになるだろうかな。
政界の圧力も半端じゃないしな」
私は笑みを浮かべて
「実は組織は、警察庁を警察省にするために堺刑事局長に協力するつもりなのよ。
わかりますよね?小野島官房長」
と最後の方はギロっと見てやった。
小野島のゴクリという唾を、飲む音が聞こえてきた。
「つまり、火野を私に始末しろということか?」
「いや、あなたはもしもの時は事件をもみ消せばいい。
火野はデスに始末させるから。
簡単でしょ?
火野の遺体は見つからず、デスがそのまま火野になりすます。
遺体が出てこなければ警察は捜査すらできない。
織田啓二の息の根を止めるチャンスだしね。
だから、あなたは堺局長と協力して警察庁を警察省にするために動いて。
そして、邪魔する者は全て排除して」
火野は、こう見えてかなりの臆病者だ。
もちろん、私がフラカンの側近だからというのもあるのだが・・・・・・。
その後、デスはすぐに犯行を終えて成り済ました。
デスは上手く化けてみせた。
デスは、私の片腕といっていいほど信頼のおける腹心なのだ。
デスはその後、実行犯を使って邪魔者を排除することになる。
それが、後の警察省につながっていくことになるのだ。
私は、織田啓二を心の底から憎んでいた。
私の両親の交通事故は、交通事故に見せかけた殺人だった。
事故車両の資料を、極秘に私は手に入れた。
私の父は刑事で、織田啓二を追っていたらしい。
その間に殺されたのだ。
事故に見せかけて。
だが、織田啓二は大物すぎて手の出せる相手じゃなかった。
だから、私はじっくりいくことにしていた。
奴の息の根をこの手で必ず止める。
ただし、ただ殺すのではなく奴の悪事を公にしたところで殺されなければ意味はない。
そのためには、織田啓二の側近に近づかなければならない。
だから、デスに成り済ましてもらったのだ。
私は、各省庁の幹部の連絡役として動くことで奴につながる人間を探していた。
何故なら、そういうところに巨悪が存在するケースが多いから。
もちろん、末端に化けて怪しまれないところにいるケースもあるが・・・・・・。
そして、文部科学省にいる怪物に出会った。
文部科学審議官の土田哲郎、又の名をカオスといった。
カオスは私を見ると
「君がセクメトか。フラカンから聞いてるよ」
私は、この男の威圧感に圧倒されて声も出なかった。
私が怯えているのを感じとってカオスは
「たいした女だ。私の威圧感だけで恐ろしさを見抜くとはな。
それが君の凄さだ。
だから、フラカンは認めたんだ君をな」
私は冷静さを取り戻して
「カオスともあろう人に誉められるとは思いませんでしたよ。
噂じゃ、あの月島望と互角に渡り合った唯一の人物ですもんね」
カオスは初めて表情を変えた。
「ああ、私が唯一、ライバルと認めた男だ。
だが、奴は死んでしまった。
私は、どんなことがあろうと犯人と黒幕をこの手で殺す!
君が、福岡で追い詰めた奴らは末端の連中に過ぎん。
それを覚えておけ」
私は強い衝撃を受けた。
アテナのコードネームを捨ててまで戦った私にとってとてつもなく虚しかった。