久美子は、無事に手術が終わり、完全に完治して退院していった。

恵里は、手術が終わった今でも手の震えがくる。

親友のオペで、しかも手術の成功率は20%未満のオペをこなしたのだから。

恵里は、改めて医療の難しさを知った感じだった。

我ながら、割りに合わないオペをよく引き受けたもんだと思った。

だが、これで病院の問題は解決する。

病院の問題が解決することは、何よりも嬉しかった。

HOPE病院は、新たな出発をきったのだった。

恵里も、内科部長としての仕事に心おきなく向かうことができる、それが嬉しかった。

だが、病院長は、心臓疾患に関する論文を書くように恵里に命じた。

それプラス、救命から内科におくられてきた患者の担当になるよう命じられた。

内科部長自ら担当になるのは、珍しいことだが相手は法務大臣の高岡弘明という法務省始まって以来の実力者と言われている男である。

そして、時期首相の呼び名が高い人物である。

彼が、内科に来た理由はMMの患者であるため内科的治療をするためである。

恵里は、高岡の病室に入ると

恵里は、笑顔で言った。

「私は、担当医の上村といいます。

よろしくお願いします。」

高岡は、恵里を見ると軽く会釈した。

そして、間をおいて

「私は、MMだそうですね。

私は、助かりますか?」

恵里は、冷静に言った。

「まずは、これからMMなのかどうかの検査を改めて内科式でやらせていただきます。

たまに、違う場合も存在するんですよ。

どんな名医であっても、古い検査方法と新しい方法とでは違ってきます。

ですので、検査をやらせていただきます。」

そして、恵里が開発した検査方法で診断が出た。

病気は、白血病であることがわかった。

そして、恵里は、彼の妹からの骨髄移植により救われた。

それだけじゃなく、骨髄移植をしてから、1ヶ月間、新薬を飲んでもらうことで完全に救われた。

恵里は、この新しい検査方法を論文で発表し、日本医師会は大絶賛してくれた。

高岡も無事救われ、ホット一息ついたそんな時に考えられないことが起こった。

それは、田所の腹心である官房長官が突然の病死によって悪夢の状況が動いたが新しい官房長官を高岡が任命されるという信じられない事態が起こった。

そして、後は論文に集中できるはずだったのだがそういうわけにはいかななかったのだ。

それは、玉突き事故がおこり、その中に真田事務次官と田所首相がはこばれてきてしまったのだ。

田所は、そのまま息をひきとりなりそうな状態で国谷と恵里のオペで二人同時に救ってみせた。

このことの影響は、凄かった。

HOPE病院を、本来の病院に取り戻すことが成功した。

名声と言えば国谷も真田事務次官を見事に救ってこの病院は、ようやく悪夢から本当の意味で戻ることができ新しい医療を恵里は、次々に完成させていった。

恵里は、外科での進歩も着々とどの科も進んでいった。

恵里は、久しぶりに心療内科に行ってきた。

そこに、以前、北栄総合病院で診た患者が来ていた。

彼女は、恵里に憧れて医者を目指していた。

以前、患者の時に恵里のおかげで急性白血病の悪夢から精神的にも肉体的な意味でも救われそれ以来医者を目指していた。

彼女は、医大生として厳しい医療実習をしていることを話していた。

恵里は、彼女が医大に行ったことを心から喜んだ。

恵里は、一風館に帰るとある人物が待ち受けていた。

昔の看護大学の同級生達が、恵里に相談をしにきた。

一人一人内容が、深く恵里自身も考えこむほどのことがあったり泣けてくる話しがあったりと恵里は大変だった。

そして、その中で一人だけ実際に協力を求めてきた人物がいたのだ。

彼女の名を、石山美幸と言った。

恵里とは、昔から仲のいい人物だったため協力することにしたのだった。

美幸は、恵里を心から尊敬していた。

何故なら、恵里が看護大学時代の時に、自殺から救った一人だったからである。

そのため、その日以来自分自身を見つめ直し再出発したのだ。

だからこそ、恵里への感謝と尊敬は、凄かったのだ。

その美幸が、恵里に相談しにきたというのも、恵里にとっても嬉しい事だったが厄介な内容でもあった。

恵里は、久しぶりに昔の仲間のために動くのも悪くないと思ったのだった。