三人が、向かった意外な犯人は

看護大学学長の秘書、高浦直樹といった。

国代は、言った。

「あなたが、私の妹を殺した真犯人だ。

その後、あなたは異常犯罪者に変わった。」

「何を根拠に、そんなことを?」

「根拠なら、たくさんありますよ。

いくら何でも、おかしいでしょう。

事件に、協力しただけで退学だの・市原教授は解雇されるし、はっきり言った話し、小野田教授や政界が裏で絡んでいるなら、生徒の処分をする意味などないんだよ。

生徒を恐れるのは、生徒の近くにいる人間だ。

かつ市原教授を、解雇させるほどの力を持つもの、となれば学長か、学長に大きな影響をもつものということだ。

学長には、実は私の師匠が犯行時間にこの四ヶ月間会ってるんだ。

つまり、学長に決定的なアリバイがあるということは、国務大臣の息子であるあんたしかいないということさ。

そして、被害者の一人があんたの毛髪をもってて、あんたの毛髪と一致した。

つまり、あんたが犯人ということだ。

そして、晴美を殺したのは臓器売買をしてる事実を晴美に知られたからだな。

黒幕は、あんたの父である国務大臣だろ。

安心しろ。国務大臣もインターポールに逮捕された。

何故こんなことをしたんだ?

それに、通り魔に罪を着せることで、終わらせようとしたわけだ。」


「その通りですよ。国代先生。

やっと私が、犯人だと気づいてくれましたね。

私が、犯行を行ったのは俺が警察に捕まることで 親父を失墜させてやりたかったからです。

俺は、子供の頃から自由はありませんでした。

いつも、こう言われてきました。

所詮この世は弱肉強食、強いものが生き、弱いものは死ぬ、だからお前は強者になれって。

親父は、強者になるためには手段を選らばなかった。

人を殺すことも、強者に賄賂を渡すことで、強者を利用して自分が上にあがる、そして、下の人間は徹底的に見下す、それが親父なんです。

そして、あなたの妹を殺すよう命じたのも親父なんです。

俺は、あなたの妹が死ぬ時の顔を忘れられない、それを忘れたい、早く捕まりたい、その気持ちが事件を起こさせた。

自首したところで、親父は揉み消して終わりですからね。

親父は、絶対の存在でした。

誰も、逆らうことはできません。

国代先生、あなたならどうしますか?」

「私なら、マスコミにちょっとずつ証拠を送りつけて、警察が動かざるおえない状況にさせ、最後に警察に決定的な証拠を渡して潰す!」

「なるほど。さすがですね。

古波蔵恵里さん、あなたに言っておきます。

本物の暴行犯は、生きています。

あなたの目の前で、二人の人間が刺されたでしょう。

だが実は、誰も死んではいないんですよ。

あなたに、所詮この世は弱肉強食であるということを教えるために、芝居をしただけなのですよ。

しかし、井原は本当に通り魔を殺しました。

晴美さんの犯人が、通り魔であることにするために親父が井原に命じたんです。

井原自身も、妹のことで苦しんでたからそれを利用して、死んで当然のカスを殺らせたというわけです。

しかし、まだ暴行犯は健在です。

それと井原は、あなたの前で芝居をした後、あなたの心を救うために国谷先生を呼んだというわけです。

あなたが、本物の通り魔に殺されそうになっていたため、あなたを助けて、二度と事件に首を突っ込ませないために芝居をしたというわけです。

あなたを見てると、妹と重ねてしまった、だからあの芝居をしたとそう言っていました。


だから井原の願いを、叶えるために、事件に首を突っ込んだら退学処分にするということにしたんです。

市原教授を、解雇したのはそのみせしめのためです。

解雇した後、国谷先生に連絡をとってイギリスの大病院に行ってもらうことにしたというわけですよ。

できれば、二度と事件には関わってほしくはありませんね。」

高浦は、逮捕され、恵里は井原のところに面会に行った。

「高浦親子は、逮捕されたわ。

息子の方に、全て聞いたよ。」

井原は言った。

「すまんな。一生の心の傷を残すようなことをして。

君のような女の子が、命を失うところを二度と見たくないと言ったところで言い訳にしかならないよな。

そうか。 あの悪魔は、捕まったか。

後は、暴行犯だけだな。

あと、小野田という悪魔がいたか。」

恵里は言った。

「私は、それでも暴行犯を捕まえるよ。

じゃないと、被害者は増えるばかりだからね。」

「そうか。わかった。

気をつけろよ。」

その後も事件は、続いたのだ。

恵里と美紀は、同級生を精神的に救うために、動いた。

何人もの同級生の自殺を止めることに成功し、恵里は、クラスの人達にリーダーと呼ばれ慕われるようになった。

恵里と美紀は、暴行犯を追い込むことに成功して、犯人は何と伊島教授だった。

伊島教授は言った。

「やはり、私までたどりついたか、さすがだ。

古波蔵恵里。だが私が犯人だとわかった以上死んでもらうよ。」伊島はナイフをもって恵里に向かってきた。

恵里は、柔道で投げ飛ばした。

伊島は、見事に逮捕され恵里と美紀は表彰されたのだ。

「美紀、長かったね。」

「本当だね。恵里。

でも、これで事件は起きないね。

本当に良かった。」

そう言った途端、美紀はくずれるように倒れた。