さて、2023年4月の相模湾流についてみてみましょう。
まずは、黒潮のふるまいから。
4月もゲートチェンジなく北側ゲートに固定されてます。
これで6ヵ月ゲートチェンジがありません。
次はワジオとカシマジオの流入日数と率について。
(流入時間/24)
ワジオ 1.8日 6%
カシマジオ 7.1日 24%
その他 14.9日 50%
欠損データ 6.3日 21%
4月もカシマジオ優位でした。
欠損データにカシマジオが含まているので、実際はもっと多かったと思います。
ワジオは完全に撃沈です。黒潮大蛇行下だと、例年この時期のワジオは少ない傾向です。
次は黒潮流路と相模湾流の関係について。
北側ゲートのみで南側ゲートはありません。
次は黒潮の接岸位置と相模湾流の関係について。
黒潮の接岸位置は北緯38度20分まで北上してます。これ以上は陸地があるから北上できないでしょう。(笑)
伊豆沖にある暖水渦の影響で、接岸位置が西から東へ移動しました。
次は、潮まわりごとにみる各潮の流入日数です。
カシマジオはすべての潮まわりに流入し、ワジオは小潮まわりに流入しました。
次は、曜日ごとにみる各潮の流入日数です。
カシマジオは週末から火曜にかけて多く流入してます。
次は、時刻ごとの流入率をみてみましょう。
カシマジオのゴールデンタイムは16時~17時です。
通常は午後過ぎから流入し始めるカシマジオですが、4月は9時くらいから流入し始めてます。
次は、カシマジオが流入した潮まわりと時刻をみてみましょう。
カシマジオの最多流入は若潮です。
長潮から大潮手前までにかけて流入率が高いです。
次は、流速を見てみましょう。観測ポイントは真鶴の三ツ石沖です。
カシマジオは0.3~0.6ノットにピークがきました。
4月のカシマジオは速かったです。1ノット以上の潮も多々流入ました。
次は、時刻とカシマジオの流速について見てみましょう。
かなり速いカシマジオです。早朝から1ノット以上のカシマジオが流入しました。
なかなか、こんな月はありません。わたくしが30年前に遭遇したカシマジオの再来か・・・。
ルアー船でブリトップが活況だったようです。ブリも潮向きに関係なく、速い潮に反応する個体が一定数いるようです。
次は、潮流と海水温についてみてみましょう。
観測ポイントは海水温が江の浦沖で、流速は三ツ石沖です。
速いカシマジオでしたが、速いワジオがもたらす海水温の上昇は見られませんでした。
黒潮の海水温が大きく変化しないせいか、沿岸の海水温も大きく変化してません。
次はワジオ モメンタムについてみてみましょう。
4月はまさにワジオ撃沈です。
黒潮大蛇行下では例年1月から右肩下がりの傾向なので、例年どおりといえば例年どおりです。
最後に円グラフで各潮の流入率についてみてみます。
4月は速いカシマジオでした。
わたくしが統計を取り始めてカシマジオ優位の月は多々ありましたが、これだけ速いカシマジオが流入したのは初です。
30年前に三ツ石で遭遇した、2ノットのカシマジオが再来したかもしれません。
この速い潮にブリが反応していました。青物は速い潮がお好みのようです。
ヒトは風が強いと家に籠る傾向があると思いますが、青物は潮が速いと高活性になります。
潮が速いと魚がなぜ高活性になるのか???これについて、生物学的に解説してる本に出くわしたことはありません。
一部の釣り人は経験的に潮が速いと魚が釣れることを知ってるから、釣りに潮を利用してます。
潮の流れ(潮向き、流速)と魚の捕食の関係についてより理解が深まれば、より楽しく魚釣りができると思います。
釣り場のゴミ問題と同じで、これも釣り人の永遠のテーマの一つなんでしょうね。