2024.04.14
第五の御使いがラッパを吹き鳴らした。すると、私は一つの星が天から地上に落ちるのを見た。その星には底知れぬ穴を開くかぎが与えられた。その星が、底知れぬ穴を開くと、穴から大きな炉の煙のような煙が立ち上り、太陽も空も、この穴の煙によって暗くなった。その煙の中から、いなごが地上に出て来た。彼らには、地のさそりの持つような力が与えられた。（黙示録9:1-3）
ー 黙示録9章1節から11節 ー
ここでは、まず冒頭で第5の御使いがラッパを吹きならすという状況が展開しています。第5のラッパということは、いわゆる七年患難のまだ前半部分です。前半部分で封印のさばきとラッパのさばきがそれぞれ７つずつあるのですが、ここで第5のラッパが吹きならされるということは、つまり七年患難の真ん中に近くなっているということです。
ザッと説明すると、七年患難の真ん中までに携挙で取り残された人たちの半分が死滅するのですね。ですから、今の人口が80億だとすると、携挙でどのくらいの人がいなくなり、それに巻き込まれて事故で死ぬ人が何人なのかということが分からないので、それがたとえば0人だとして、80億人の半分の40億人が死ぬということです。
それにプラスアルファして（つけ加えて）、携挙でいなくなる人や巻き込まれて死ぬ人がいるので、40億人以上の人が七年患難の真ん中までに消えるか、死ぬかするのです。そこに限りなく近づきつつあるということでしょう。
ということは、封印のさばきが終わり、ラッパのさばきは4番目まで終わっているので、いろいろなことが起こっているのです。
たとえば海の生き物の3分の1が死滅した状態です。そして川の水の3分の1が汚染されたゆえにもう飲めない状態です。そして七年の真ん中（三年半）までには40億以上の人が消えたり、いなくなったり、殺されたりするという状況で、そこに近づきつつあるなかで第五の御使いがラッパを吹き鳴らす瞬間です。
そして、ここで第五のラッパが吹き鳴らされたあと、底知れぬ所、これは「アビス」とも呼ばれる場所なのですが、そこの穴が開くのですね。神の許しを得てそこが開いて、煙のように、いなごのように悪霊がワンサカ（たくさん）出てくるという状態です。
この底知れぬ所ですが、一説によると、ノアの時代に人の娘と交わってその遺伝子を汚した堕落した天使たちが神の怒りをかって閉じ込められている場所であると言われています。そして、このアビス、底知れぬ所というのは、ルカの8章31節によると、悪魔・悪霊たちも行くのを恐れている場所であるということが分かります。
ルカの8章では何が起こっているのかというと、レギオンと名乗る大ぜいの悪霊にとり憑かれた人が、主イエスに悪霊追い出しを受けるという場面なのです。そこで悪霊たちが、「底知れぬ所には送らないでください」とイエスに懇願（こんがん）するのですね。
悪霊どもはイエスに、底知れぬ所に行け、とはお命じになりませんようにと願った。
（ルカ8章31節）
それで大量の豚が近くにいたので、イエスが「そこに行け」と命じたら、豚が崖から落ちて死んでしまったということから、そこから悪霊が何を求めているのか。悪霊にとり憑かれた人たちがどのようになってしまうのかということが見て取れる興味深い場面なのです。でもここではあまり関係が無いので…。
つまり、悪霊たちも行きたくない恐るべき神の怒りの場所がアビス、底知れぬ所です。
この底知れぬ所というのは、永遠の世界では火と硫黄の燃える池、いわゆる地獄に投げ落とされて、もっと苦しいところになるのですが、いずれにせよ神の許しを得て、この底知れぬ所の穴が開くのですね。
そして、私の想像ですが、もういたくない場所にいたのが、突然神の許しを得て開くので、「ウワー、ヤッホー」と言って出てくる。喜び勇んで出てくるという情景がここです。私の想像ですと、そうなっています。
本来はどうなのかはわかりませんが、とにかく、いたくないところから出てきて人間に害を与えるのですね。でも人間に害を与えるのですが、ここに書かれているように、神を信じていない人間にだけ害を与えるのです。そういう背景でお読みしたいと思います。
:1 第五の御使いがラッパを吹き鳴らした。すると、私は一つの星が天から地上に落ちるのを見た。その星には底知れぬ穴を開くかぎが与えられた。
:2 その星が、底知れぬ穴を開くと、穴から大きな炉の煙のような煙が立ち上り、太陽も空も、この穴の煙によって暗くなった。
:3 その煙の中から、いなごが地上に出て来た。彼らには、地のさそりの持つような力が与えられた。
:4 そして彼らは、地の草やすべての青草や、すべての木には害を加えないで、ただ、額に神の印を押されていない人間にだけ害を加えるように言い渡された。
:5 しかし、人間を殺すことは許されず、ただ五か月の間苦しめることだけが許された。その与えた苦痛は、さそりが人を刺したときのような苦痛であった。
:6 その期間には、人々は死を求めるが、どうしても見いだせず、死を願うが、死が彼らから逃げて行くのである。
:7 そのいなごの形は、出陣の用意の整った馬に似ていた。頭に金の冠のようなものを着け、顔は人間の顔のようであった。
:8 また女の髪のような毛があり、歯は、獅子の歯のようであった。
:9 また、鉄の胸当てのような胸当てを着け、その翼の音は、多くの馬に引かれた戦車が、戦いに馳せつけるときの響きのようであった。
:10 そのうえ彼らは、さそりのような尾と針とを持っており、尾には、五か月間人間に害を加える力があった。
:11 彼らは、底知れぬ所の御使いを王にいただいている。彼の名はヘブル語でアバドンといい、ギリシヤ語でアポリュオンという。
（黙示録9章1節から11節）
アーメン。
ｰ続くｰ
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