36歳女性

 

昨年秋から紹介にて

比較的頻回に外来受診する理由は、

発熱、感冒症状。

 

コロナ前は

「風邪でしょう」

と風邪薬をだしてお茶をにごしていたのが許されたが、

きょうびそれが許されない。

 

しかもこの患者さんは

生保の受給者で、「依存症」の専門医に通院することにより、

生保受給継続が可能となる。

 

したがって、

治療プログラムにのっとって

“就労支援 依存症離脱”

の毎日を過ごしている。

 

依存症は一般的には

アルコールであったりギャンブル(パチンコ)や薬物であることが多いが、

この女性の場合

「ホスト依存症」

と、聞き慣れない病名。

 

昨年は感冒症状が多かったので、

ビニールカーテン越しの短時間診察であったが、

今年に入ると

「胃腸の調子がわるい」

ことが多く、それが依存症プログラムの欠席理由となる

ために、問診時間が増えたり腸音を聴診器で聞くため、

会話が増えた。

 

本日、依存症専門医から

「詐病(ウソ病)ではないか?」

「きちんと診断を書面で持参」

の依頼状を持って来院した。

 

「ウソ病かもねと疑われてますねえ」

ともちかけてみたら、

遠慮がちに

「そんなことないんですけど・・

ホントに調子悪いんですかど・・」

 

過敏性胃腸症は

症状と聴診器診断の病気。

だから、データ数値や画像上に異常がでるものでは無い。

 

消化吸収能が落ちるので、

フェリチンやビタミンDも低値となるが、それらが

「過敏性胃腸症」の診断根拠とはならない。

 

したがって、

3日前から漢方薬と整腸剤を処方、

すでに開始した 低フェリチンに対する「ヘム鉄」

とリーキーガット対策としての「ビタミンD」

等のサプリメント治療

が奏功するまでの2-3ヶ月は

「不調」による欠席があり得る

詐病では無い

この内容で 詐病疑い のドクターに返事した。

 

ひるメシを喰いながら

考えていたが、

 

「ホスト依存」

これって、文字どうりの病気ではなく、

むしろ

「自己肯定感の喪失」

なのでは?

 

ホストは認めてくれるしチヤホヤしてくれるし、

「また行きたい」

と思うのでは?

 

「また行きたい」

は旅行やディズニーでも同じ感覚。

 

この患者さんの

病気の根源は「自己自信の喪失」

だと思う。

 

フェリチンを上げて

体調整えて

いいウンチがでるようになれば

ホストから卒業できるんじゃないだろうか??

 

そう思いながら

すこし長いめで

みていこう。