「あなたはLDLコレステロールが高いので気をつけましょう」
ひとことで言うならこれ、ホント。
LDLは悪玉コレステロールと呼ばれ、
高いとドクターから注意喚起される。
コレステロールが医療界で取り沙汰されるようになったのは、
1985年あたりかな・・。
一般社会的には、
1990年代くらいから「総コレステロールが高いので・・・」
と注意喚起されるようになり、
その後、人間ドックでも市の検診でもLDLコレステロールが測定可能になって、
「LDLが高いんで、下げなきゃいけません」
と、強く指導するのは特に循環器内科医。
循環器内科医は「LOWER IS BETTER」と称して、
とにかくLDLは悪!!と信じている。
が、しかし、
循環器医と一般健診医師のLDLに対する嫌悪感温度差は、
今でも著しい。
一般ドクターは「そんなに下げると、癌になりやすいし、うつになりやすいし、、、」
と言う
そのズレは?
理由は一つ。
わかりますか?
答えは、
循環器内科医は心筋梗塞で命を落とす患者ばかりを目の当たりにするから・・・。
心筋梗塞や狭心症になっちゃった人達のLDLが高いことに気づき、
それを下げれば再発が少ない。
このEVIDENCEを熟知しているから。
つまりは、循環器医師が接触する患者さん達はLDLは超ワルであるように選ばれし人達なのである。
LDLはその値よりも、SMALL LDLが、酸化されやすいLDLであるか?
つまり、LDLの質の問題が問われている。
私の外来では、
「LDLが高いんですが・・・」
と聞かれると、頸動脈エコーを行う。
15分くらいで頸動脈のプラークの厚みと性状が分かる。
(コレは内頚動脈のソフトプラーク、血管の約50%
を狭窄。危険な病変である)
このデータと家族歴を考慮に入れて、
LDLを下げる特効薬-スタチンの適応や
酸化防止の魚の油制剤EPAの処方などを
考えることにしている。
実は、ここまでが前座。
次回はHDL=善玉コレステロール
について考えてみます。