日本維新の会の共同代表、石原新太郎さんが日本国憲法は「マッカーサーが数日で作った醜い憲法」だと発言したそうです。
・・・本当か?
僕は日本国憲法は好きです。特に第一条「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。」は、日本人が忘れてはならない一番大事なことを最初に書いていると思います。
これをマッカーサーが考えたと言うのは、ちょっと信じられません。よほど日本という国の歴史と日本人の生活や心情を深く勉強しないと無理だと思います。日本国憲法は第二次世界大戦が終わった翌年には公布されていますから、そんな時間はなかったはずだと思います。
ただ、「日本の象徴」という言葉使いには、ちょっと不自然な感じはします。英語で作られたものを無理やり日本語に訳したんじゃないの?みたいな。
日本国憲法が制定された経緯は次の通りです。
1945(昭和20)年10月、GHQが日本に憲法改正を要求。
翌1946(昭和21)年2月8日、最初の憲法草案が完成。
同年2月13日、憲法草案が提出されたが、GHQはこれを拒否。同時に「GHQ草案」を逆提示し、これを元に再検討するよう要求。
同年3月2日、このGHQ草案をほぼ丸呑みする形で憲法草案が再提出され、これが最終案になった。
GHQが日本の憲法草案を即時拒否した理由は「これでは明治憲法と変わらない。」ということで、つまりGHQは提出される前から草案の内容を知っていたのです。
知ったのは直前の2月1日と言われています。毎日新聞が日本が作っている憲法草案をスクープしたのです。こんな大事な内容を新聞で知るって本当か?本当はもっと前から知ってたんじゃないの?とも思いますが、実はもっともらしい証拠があります。
マッカーサーが部下にGHQ草案を作成させるにあたって指示した文書「マッカーサー3原則(マッカーサーノート)」の日付が「About 4 Feb 1946(2月4日頃)」となっているので、「数日で作った」という辻褄は合います。
マッカーサーノートは国会図書館のサイトからダウンロードできます。アメブロにアップしたら文字が潰れて読めなくなってしまいましたが、元の画像は文章が読めます。
http://www.ndl.go.jp/constitution/shiryo/03/072/072_002l.html
マッカーサーノートの内容は以下の3点です。
1.The Emperor is at the head of the State.
天皇は国家元首に位置づける。
2.War as a sovereign right of the nation is abolished.
国権の発動としての戦争は廃止する。
3.The feudal system of Japan will cease.
日本の封建制度は中止する。
つまり「天皇制は残すが、封建制は無くす。そして戦争はしない。」と、それだけです。なので、石原さんの言う「マッカーサーが作った。」というのは、ちょっと考え過ぎのような気がします。
確かにマッカーサーの指示は含まれていますが、それ以外の部分はマッカーサーの部下が色々な国の憲法を参考にして当たり障りがない内容で作ったものだと思います。
ただし「数日で作った。」というのは本当です。マッカーサーは、日本の憲法の内容についてロシアが口出しする前に公布を済ませたかったため、草案の作成を急いだと言われています。
なので、この日本国憲法が拙速であることは間違いないと思います。なおかつ、この憲法は公布されてから70年以上が経過しており、当時の国際情勢から何もかも変わっています。根本的な大事な部分は維持するとして、全面的な見直しをしても良い時期に来ていると思います。
ちなみに憲法第一条で天皇は「日本の象徴」とされ、権限はないものとされていますが、マッカーサー草案では「国家元首」となっています。国家元首から象徴に格下げしたのは誰なんだろう。GHQ草案を作ったマッカーサーの部下なのか、それとも日本なのか。
そして、もし憲法が改正されることになったら、新しい憲法で第一条ではどうなるんだろう。気になるところです。
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「マッカーサーが数日で作った醜い憲法」維新・石原氏
http://www.asahi.com/politics/update/0509/TKY201305090498.html
・・・本当か?
僕は日本国憲法は好きです。特に第一条「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。」は、日本人が忘れてはならない一番大事なことを最初に書いていると思います。
これをマッカーサーが考えたと言うのは、ちょっと信じられません。よほど日本という国の歴史と日本人の生活や心情を深く勉強しないと無理だと思います。日本国憲法は第二次世界大戦が終わった翌年には公布されていますから、そんな時間はなかったはずだと思います。
ただ、「日本の象徴」という言葉使いには、ちょっと不自然な感じはします。英語で作られたものを無理やり日本語に訳したんじゃないの?みたいな。
日本国憲法が制定された経緯は次の通りです。
1945(昭和20)年10月、GHQが日本に憲法改正を要求。
翌1946(昭和21)年2月8日、最初の憲法草案が完成。
同年2月13日、憲法草案が提出されたが、GHQはこれを拒否。同時に「GHQ草案」を逆提示し、これを元に再検討するよう要求。
同年3月2日、このGHQ草案をほぼ丸呑みする形で憲法草案が再提出され、これが最終案になった。
GHQが日本の憲法草案を即時拒否した理由は「これでは明治憲法と変わらない。」ということで、つまりGHQは提出される前から草案の内容を知っていたのです。
知ったのは直前の2月1日と言われています。毎日新聞が日本が作っている憲法草案をスクープしたのです。こんな大事な内容を新聞で知るって本当か?本当はもっと前から知ってたんじゃないの?とも思いますが、実はもっともらしい証拠があります。
マッカーサーが部下にGHQ草案を作成させるにあたって指示した文書「マッカーサー3原則(マッカーサーノート)」の日付が「About 4 Feb 1946(2月4日頃)」となっているので、「数日で作った」という辻褄は合います。
マッカーサーノートは国会図書館のサイトからダウンロードできます。アメブロにアップしたら文字が潰れて読めなくなってしまいましたが、元の画像は文章が読めます。
http://www.ndl.go.jp/constitution/shiryo/03/072/072_002l.html
マッカーサーノートの内容は以下の3点です。
1.The Emperor is at the head of the State.
天皇は国家元首に位置づける。
2.War as a sovereign right of the nation is abolished.
国権の発動としての戦争は廃止する。
3.The feudal system of Japan will cease.
日本の封建制度は中止する。
つまり「天皇制は残すが、封建制は無くす。そして戦争はしない。」と、それだけです。なので、石原さんの言う「マッカーサーが作った。」というのは、ちょっと考え過ぎのような気がします。
確かにマッカーサーの指示は含まれていますが、それ以外の部分はマッカーサーの部下が色々な国の憲法を参考にして当たり障りがない内容で作ったものだと思います。
ただし「数日で作った。」というのは本当です。マッカーサーは、日本の憲法の内容についてロシアが口出しする前に公布を済ませたかったため、草案の作成を急いだと言われています。
なので、この日本国憲法が拙速であることは間違いないと思います。なおかつ、この憲法は公布されてから70年以上が経過しており、当時の国際情勢から何もかも変わっています。根本的な大事な部分は維持するとして、全面的な見直しをしても良い時期に来ていると思います。
ちなみに憲法第一条で天皇は「日本の象徴」とされ、権限はないものとされていますが、マッカーサー草案では「国家元首」となっています。国家元首から象徴に格下げしたのは誰なんだろう。GHQ草案を作ったマッカーサーの部下なのか、それとも日本なのか。
そして、もし憲法が改正されることになったら、新しい憲法で第一条ではどうなるんだろう。気になるところです。
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「マッカーサーが数日で作った醜い憲法」維新・石原氏
http://www.asahi.com/politics/update/0509/TKY201305090498.html