3月13日 | 続・我が逃走

続・我が逃走

不完全密室殺人/JONNY/パイプカツトマミヰズでベースギターを担当する舟橋孝裕のブログです。

今日はパイプカットマミヰズで新栄CLUB ROCK'N'ROLLにて演奏。

インターネット上では様々な意見、思想が飛び交っているけれども我々は平常時通り全力で演奏した。

メンバーそれぞれ、色々感じている事はあるだろうしそれぞれ色々な思いを胸に演奏に臨んだのだろうけれども、僕個人の意見としてはそれが現状自分の出来る事としては最善な気がしたのだ。


名古屋は平和だ。東京で地震に遭遇した(そして無事帰ってきた)篠田君によると、もうこれでもかという程ギャップがあるらしい。名古屋では11日に揺れただけでそれ以降地震は起きていないし、震災による被害も起きていない。ニュースで被災地の情報は皆得ており、この非常事態に皆不安を感じている。東海大地震といういつ来るかわからない恐怖を感じている方もおられるだろう。僕もその一人だ。

だからこそ、日常生活を送れる、送っていられる地域で生活する人間として、せめてライブハウスではそこに集まる方々の日常生活を堪能して欲しいと思うし堪能したいと思ったのだ。

被災地の方々への心配は頭の中から消えず、そして災害への心配は拭い去れるものではない。それは決してそう出来るものではない。でも少なくとも一瞬でもライブハウスでエキサイトする事が出来れば、それはそこにいる人間として何がしかの糧となるのではないか、とそう思った。


MCをする吉田君に「信念があるならばその限りではないけれども、地震については出来るだけ意識せずにライブを敢行したい」と、一メンバーとして実に実に差し出がましい申し出を行ったのもそんな理由に拠る。今思えばそんな僕が一番地震を意識していたのだろうし、メンバーにそんな不躾な事を言う程ピリピリしていたのだろう。

でも何かを期待してライブハウスに来られる方はいらっしゃるだろうし、我々は我々に対価を支払って足を運んで下さる方々、その場にいる方々に対して何が出来るかと考えた際に只一つの結論として「全力で演奏を行う」という、今までずっと行ってきた事、そしてこれからも行っていくだろう事を選択する以外なかった。


帰宅後、情報収集をインターネットを用いて行った。

情報ソースの確かなものを選んで、今日何が起きたかを知った。茨城は実に不安な状態であるし、依然、「平穏」という言葉からはかけ離れた明日が来そうな状況である。復興に向けて動き出せる日がいつ来るのか。それさえも誰にもわからない。


けれどもそんな中、我々はそんな現実と対峙する(或いは対峙していないのかもしれない)形として、ここ最近では一番充実感を感じる演奏を行う事が出来た。

演奏後フロアに戻った際には、今まで特にリアクションを頂く事のなかったお客さんからもキラキラした目で「格好良かった!」という言葉を頂く事が出来たし、その言葉を聞く前から「今日はやった」という確かな充実感を感じていた。

ここ最近では一番の、何であれば僕が加入して以降最高の演奏が出来たんじゃないかとさえ思っている。


それが今日このタイミングで出来て良かったと、そう思っている。

今日のひと時感じる事が出来た「日常感」が、明日以降の「非日常」「有事」に於いて、僕自身の大きな糧になるのではないかとそう考えている。