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JAL社長 コックピットからの経営学

保照 嵐
2018/01/17 22:42

JAL社長 コックピットからの経営学

NHK
1月17日 21時05分

日本航空が経営破綻してから今月でちょうど8年がたちます。赤字経営を繰り返し、親方日の丸とやゆされた企業体質から過去最高の営業利益を出すまでに大きく変わった日本航空。率いるのは元パイロットという異色の経歴を持つ植木義晴社長(65歳)です。コックピットで体得した植木流の経営学とはどのようなものなのか、植木社長にとって特別な場所でインタビューしました。 (おはよう日本 おはBizキャスター 豊永博隆/経済部記者 野口恭平)

特別な場所でのインタビュー

羽田空港にある日本航空の整備用格納庫。扉は閉められていますが、真冬の寒さが身にしみます。整備のため駐機してあるB767-300。タラップを駆け上がって機内に入るとコックピットの左側、機長席には植木義晴社長が座っていました。

「思ったより狭く感じるでしょう。少年の夢みたいな場所ですよね」と、くったくのない笑顔で語りました。

植木社長はパイロットとして日本航空に入社。DCー10やB747ー400などの機長を17年にわたって務めました。

思い出に残るフライトを尋ねると、台風が迫るなか、当時、着陸が難しいことで知られていた香港の空港に無事着陸したことや、真冬のアラスカ・アンカレッジで雪が降ったばかりの滑走路に神経を使いながら着陸したこと、さらには副操縦士のとき、エンジンに鳥を吸い込む「バードストライク」を経験し、機体を安定させ、燃料を投棄して空港に戻ったことなどをなつかしそうに語りました。

機長と社長の共通点

植木氏は日本航空が経営破綻した2010年、57歳のときに役員への打診を受けました。飛行機を降りることに迷い、悩みはあったそうですが、会社再建につくそうと決断。その後、当時経営トップだった稲森会長からの指名で2012年2月に社長に就任したのです。

機長と社長の共通点を尋ねるとこんな答えが返ってきました。

「社長になっていかしていることのすべてはここ(コックピット)から学んだこと。いちばん大きかったのは『責任を持って決断し実行する』ということです。飛行機は操縦中に必ずタイムリミットが来る。例えば離陸を継続するのかやめるのか、短いときは数秒、長いときでも数分の間には決断を下し、それを実行するのがパイロットの務め。そうやって500人のお客様の命を守ってきたんです。役員になって会議をやると1時間やって何も決まらないことがあります。最初は何をしているんだろうと思いました。一度しかないチャンス。その中で責任と覚悟をもって決めるのが機長であり、社長でもある」

かつての“親方日の丸”体質

日本航空は戦後の日本の航空産業を長い間リードしてきました。 東京オリンピックの聖火を運んだり、世界一周路線を開設、大量輸送時代の象徴、B747・ジャンボジェット機を世界一多く運航するなど、日本という国を代表するエアラインでした。

しかし、国が株式を保有する半官半民の特殊な企業構造だったこともあり、親方日の丸と、国依存の企業体質がしばしば批判されました。シェアや規模ばかりを追い求める経営。そして、政治的な要請から採算を度外視した地方路線を拡大。政治、行政、そして労働組合のしがらみにまみれ、赤字を繰り返し借金が増え続けた末の経営破綻でした。

すべてが変わった

かつての日本航空の企業風土はどこが問題だったのか。

植木社長はこう話します。

「どんどん会社が肥大化していくと、この会社を自分たちのものだと思えなくなる瞬間ってありますよね。それまで批評家評論家はいっぱいいた。あれがおかしい、これがおかしい。じゃあ誰がやるんだ、それは私でしょう、という人間はなかなかいなかったわけです」

そして、破綻という厳しい現実を経験したことで、企業体質は根本から変わったと力説します。

「会社はすべてが変わりました。社内の常識が変わっています。変わっていないのは日本航空という名前と社員。9割は元の社員で実は変わっていません。その社員は今、この会社は誰のものなのか、変えていくのも業績を出すのも自分たちの責任だと認識している。自分たちから動く、僕はそれをひとつの形にまとめあげる。社員をやる気にさせるのが社長の務めだと思っています」

次の成長へ向けて

今、植木社長が力を入れているのが新規事業分野の開拓です。去年4月に発表した2020年までの中期経営計画では新たな成長分野を30%伸ばすことを盛り込んでいます。

新しいアイデアを掘り出すため、「創造の翼」というタイトルで、グループ社員による新規事業コンテストを開催しました。宇宙旅行サービスやペットと一緒に飛行機に乗るためのケージの開発、ドローンの操縦訓練事業を行うなどのアイデアが次々と飛び出しました。

コンテストの後、植木社長は講評でこう社員たちをしった激励しました。

「きょうのコンテストで落ちた人はあきらめるようなら出ていないだろう? 自分なりの方法でどうしたらいいか考えるべき。志は何なのか、みんなは何ができるの? JALとして世の中としてやるべきことはなんなのか、勉強してほしい。KY(空気読めない)とかいうけどKYじゃないと世の中変えられないぜ」

社長自身が波乱万丈の人生、中学高校時代は不良と言われ、航空大学校の同窓会で当時の校長から「よくぞ社会人になった」と言われたというエピソードを披露し、常識にとらわれるなと変革を訴えていたのが印象に残ります。

答えのないところに答えを出す

パイロット出身の経営トップとして、決断を何よりも重視する植木社長。 2013年、現在運航しているB777にかわる中長距離線用の機材として欧州のエアバスA350の導入を決定したことは当時、驚きをもって受け止められました。なぜなら日本航空はほぼ一貫してボーイングなどアメリカの航空機メーカーの機体を採用し続けてきたからです。

この決断に迷いはなかったのか、植木社長に尋ねました。

「総額でいえば1兆円規模の投資になる。しかも導入されて使い終わるのは30年先のこと、誰かが決断しないと飛行機の購入はできないわけです。世界中の航空会社はボーイング、エアバス両方を購入しています。日本だけがボーイングだけというのは世界の平均で考えたら異端でした。私は公平にみて、あの時点ではエアバスを選ぶべきと思って決めたので迷いはなかったです」

そして、トップとして重きを置くこととして次のように語りました。

「120%の確率を求めてそこまで議論して決めるのであれば社長はいらないわけです。誰でもできる。答えのないところに答えを出す。正しい答えを導き出すからトップというのが必要なんだ。そこに覚悟と責任を持っていなかったら怖くてできないですよね」

大企業ともなると長い歴史と伝統があり、そこで働く社員はどうしても「よき組織人」としてのふるまいが求められ、原理原則に拘泥されがちです。

グローバル競争や技術革新の時代を迎え、こうした視野の狭さでは太刀打ちできないことは明らかです。

植木社長へのインタビューを通じて経営者だけでなく、働く多くの人たちが何を大事にすべきなのか、どう行動していけばいいのか考えさせられました。

https://www3.nhk.or.jp/news/business_tokushu/2018_0117.html

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