*本日は終戦の日でした。
当時の追い詰められた日本の様子は映画「日本の一番長い日」で
よく描写されています。
それがどこまで事実に迫っているのかは私には
わかりませんが・

だけど作品としてはよくできています。
古い方の映画です。
(三船敏郎、山村総、笠智衆、加藤武、黒沢年男、小林桂樹など出演)


でも、今日ご紹介するのは
全然違って「陽の当たる坂道」
青春映画です。


大好きな映画です。
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1958年作品
日活




*とても好きな映画です。

この年代の日本が好きです。
風俗、建物、風景、人々の会話、どれをとっても
とても愛しく懐かしく温かみを感じます。


石坂洋次郎原作のものって、本当に明るくて率直で、
清々しい青春像が絵が描かれていて
憧れます。




(解説)
石坂洋次郎の読売新聞連載小説の映画化。田坂具隆と池田一朗の共同脚本を「今日のいのち」の田坂具隆が監督、
「素足の娘」の伊佐山三郎が撮影した。主演は「錆びたナイフ」の石原裕次郎と北原三枝、
「佳人」の芦川いづみ、渡辺美佐子、その他、千田是也、轟夕起子、山根寿子、小杉勇などのベテランも出演。

1958年製作/189分/日本
原題:Street in the Sun
配給:日活
ストーリー

田代玉吉は出版会社の社長で、家族は妻のみどり、長男の医大生雄吉、少々ひねくれ者だが自由奔放な次男信次、それに足のわるい娘のくみ子。
女子大生倉本たか子は、くみ子の家庭教師であり彼女のアパートの隣室に、高木トミ子と一人息子の民夫が住んでいた。

ある日、父の玉吉と話をしていた信次は、ふとしたことから自分が父と柳橋の芸者との間に出来た子であることを知った。
数日後くみ子はたか子を誘ってある喫茶店に行った。
彼女はくみ子の夢中になっているジャズシンガーが、民夫なのでびっくりした。

正月の元旦、信次はたか子の話からトミ子が自分の実母であると感知して、アパートをたずねた。
しかしトミ子は不在で、留守居の民夫は裕福そうな信次に反感を抱いて、彼を部屋に入れようとしなかった。
母のみどりは信次のことを心配して、やさしく彼をなぐさめた。信次の心の中には、たか子への愛情が芽生えていたが、持前のひねくれで、率直に言えなかった。
当のたか子は雄吉とスキーにいって求婚されたが、なにか二人の間に隔りを感じ承諾できなかった。

くみ子は医師の診断をうけ、足のなおるのがわかったので、民夫に結婚したいといった。
その頃、雄吉はファッションモデルのゆり子と問題をおこし、そのいざこざを信次におっかぶせてしまった。
しかし、信次が悪いのではないことを知ったたか子は、彼の情熱的な青年らしい真情を感じた。くみ子とたか子の計らいで、信次は民夫と会い、大喧嘩をしたがいつしか二人は兄弟愛に結ばれていった。
その帰途、信次はたか子を踊りに誘い、強引に接吻した。一度は怒ったたか子も、彼の胸に抱かれるのだった。
くみ子と民夫の明るい顔にも、田代家の前の坂道にも、暖かい春の陽ざしが、彼らを祝福するかのようにふりそそいでいた。

スタッフ・キャスト

監督
田坂具隆
脚色
田坂具隆
池田一朗
原作
石坂洋次郎


倉本たか子  北原三枝



田代玉吉  千田是也


田代みどり   轟夕起子

 


小高雄二   田代雄吉









(感想)

とにかく時代背景とか、風俗とか町並みとか
どれをとっても素敵です。

そして石原裕次郎がいい!いいね!
ちょっと不良っぽいけど、育ちの良さを感じさせる、
この役にピッタリです。
これって、出自は複雑だけどお金持ちの子として育ったので、
ただ不良っぽい、ってだけでは駄目だと思う。
育ちの良さのあるお坊ちゃんでないと。

このあと、渡哲也でもこの原作が映画化されているけど、
彼は不良っぽさは十分だけど、
育ちの良さがあまり感じられなかった。

そして三浦友和は育ちの良さはあるんだけど、不良っぽさが
あまりなかったというか。


ということで魅力あふれる信次像を一番
表現できていたのは石原裕次郎だったと思います。
天性のものがうまくはまった感じ。
演技力以前の「存在感」がやはりあるんですね。
スターってそういうものだと思います。
魅力を感じます。



それと北原三枝ですね。
石原裕次郎が好きになるのもわかる。
品がいいんです。
セリフ自体が丁寧なのもあるけれど、それを何の違和感もなく
話せるのは天性の品の良さがあるからだと思います。
この時代はセリフがいいですね~。品があるわ~。

きっぱりと率直でまっすぐなたか子は北原三枝にピッタリだった。
ナイスカップル。
信次はちょっと屈折してるけど、健康的で
明るくてまさに太陽のような存在で、
石原裕次郎と重なるんだよね。


芦川いずみもとっても可愛い~。
物事をはっきり言う女の子だけど、嫌みなく、
純粋で、とても優しいいいお嬢さん。
芦川いずみ、良かったです。


田代家の母、轟夕紀子が演じているけれど、
これも良いのよね。
この女優さん、元々好きだけど、
複雑な事情を抱えた母親をよく演じていたわ。
夫に浮気され、できた子供を引き取って、自分の子として
育てる・・・なかなかできる事じゃない。
勿論、葛藤があり、嫉妬や怨みのような感情が渦巻いていたと思うけど、
そういうのもうまく表してた。
そして貫録ね、これも単に演技力だけで出せるものじゃない。



これを今、作るとしたら、誰をキャスティングすればいいだろう?
信次役は難しいと思う。
ああいうキャラクター、いそうでいない。
今ならジャニーズ系になってしまうだろうか。
だけど、無理だなあ。

現代ではどの役もできる人いないかもな。
イメージ壊れるからやめておいた方がいいな