今日、6月19日は太宰治の誕生日であり


入水自殺した太宰の遺体が発見された日である。




今、生誕100年とかで「ブーム」だという。


ゲンナリするね。ブームなんてヤメテヨ・・・・。


太宰治を読んだのは高校生の頃。


ほぼ、全ての作品を読んだ。



「人間失格」は、一晩で読んだ。


まるで自分の事を書かれているんじゃないかと


思うほど、似ているような気がした。


無頼で破滅型だが、繊細で気弱で優しい太宰。




過去の偉大な魂が身近に感じられる。


でもやっぱり、私とは違ってた。当たり前だけど。




私はその優しさが欠けているかもしれぬ。


しかし、やはり何時の世にもそっとよりそうような


太宰の作品は時を超え時代を超え


人に何らかの感銘を与え続ける。




負うた子に瀬を教えられ



自分の子もやがて太宰治を読むようになった。


すると私とはまた違った視点で見ていることに気づく。



太宰は私が思うより、ずっとユーモアがあった。


「畜犬談」や「皮膚と心」など、こんなに面白かったのか


と思うほど新たな発見。




そう思って読めば、「人間失格」もただ悲劇的で


悲惨な可哀想な物語ではなく


巧まざるユーモアがあることを知る。





何度読み返しても面白い。


最近のベストセラー作品は底が浅くて


文章に個性がないと感じてしまう。




もう出てこないかな?


最近のトリック重視のストーリー作りではなく


文章そのもので勝負する本当の「文士」