【正論】立命館大学教授 大阪大学名誉教授・加地伸行 (1/3ページ)
■根治療法と鉄の意志を政治に
◆友愛も国家理念たりえず
民主党の岡田克也幹事長が党の代表選に出馬したとき、ZEROというテレビ番組でインタビューを受けていた。「どういう国家を目指そうとしているのか」と。
すると、なんと「安心安全な国家」と答えた。インタビュアーも困ったような表情であったが、それは当然。安心安全はいかなる国家でも基本的条件なのであって、それは宰相の心得のこと。問題はそうした基本的条件の上に立つ理念なのである。しかし、岡田氏にはその理念などないことが分かった。これでは首相の器ではない。
もっとも鳩山由紀夫代表も同じことで、理念を述べたことはなく、彼の言う「友愛」などは、手垢(あか)にまみれた道徳的あるいは宗教的観念にすぎず、新鮮な国家的理念たりえない。それに鳩山氏周辺の小沢残党執行部には、悪相の者が多く、いかにもという感じ。「(その)容貌(ようぼう)は以て人を動かすに足らず。言語は以て世を眩(くら)ます(ビビッとくる)に足らず」(蘇洵(そじゅん)「弁姦(べんかん)論」)
麻生首相には、日本は環太平洋構想のリーダーになるべしという国家理念があったはずである。けれども、その実質化はいつのまにか百年に一度とやらの金融不安でふっとんでしまった感じだ。
これでいいのであろうか。
(転載終了)
立命の加地伸行氏の論である。
岡田氏、鳩山由紀夫氏に関して、誠に
尤もな見解示されていて、痛快だ。
国家の宰相たるもの、骨太の国家観をもって
ことに臨んでほしいものである。
先日来、話題になっている「冤罪」事件であるが
間違われた人物が投獄されている間
真犯人はのうのうと暮らしていたのかと思うと
まったく、何とも名状しがたい思いが溢れてくる。
警察、検察には、どのような取調べをしようとも
ひとえに「真犯人」の確保、この一点を
追求し、見誤ってもらっては困る。