近衛使
葵祭における路頭の儀の行列は、
天皇の勅使である近衛使が最高位
で本来の主役。
近衛使の牛車
ただ近年は、斎王代列が華やかで
絵になるために斎王代に人気が
集まるようになった。
第4列の陪従(べいじゅう):雅楽を奏する武官
第4列の内蔵使(くらつかい):内蔵寮の次官で、御祭文を捧持する役
斎王代(さいおうだい)は、かつて
未婚の内親王が務めていたが、
現在は京都在住の未婚女性から
選ばれる。
斎王代列
斎王代列の命婦(みょうぶ):
小袿(こうちき・五衣重)を着用する高級女官。花傘をさしかける。
豪華な十二単衣を着た姿は、
平安朝の内親王を彷彿とさせる。
命婦列に先導されて四方輿に乗った斎王代が列を飾る
「第65代葵祭斎王代」に選ばれた松井陽菜さん
行列の最後を飾る斎王代が通ると
一際歓声が大きくなる。
斎王代に続く駒女は、美しくも
清らかでありながら馬に騎乗する。
駒女(むなのりおんな):
斎王付きの清浄な巫女(みかんこ)で、騎馬で参向するのでその名がある。
この駒女も見ものの一つだ。
路頭の儀の最後尾は、蔵人所陪従
と斎王代の牛車で締め括る。
蔵人所陪従(くろうどどころべいしゅう):斎院の物品や会計をつかさどる
蔵人所の雅楽を演奏する文官。それぞれが楽器を持っている。
斎王代の牛車
葵祭:
古くは賀茂祭と呼ばれた賀茂御祖神社(下鴨神社)と賀茂別雷神社(上賀茂神社)
の例祭。平安貴族の間では「祭り」と言えば葵祭のことをさすほどだった。
その起源は定かではないが、賀茂別雷大神が神山に御光臨される際、神託により
葵を飾り、馬を走らせ、神迎えの祭りを行ったことに始まるとされている。
葵祭と呼ばれたのは、江戸時代の元禄年間だとされる。祭で用いる葵が徳川将軍家
の家紋であり、祭りの前に葵縵(あおいかずら)を将軍に献上するなどの行事から、
この頃より葵祭と呼ばれ始めた。
上皇ご夫妻後上覧の葵祭の路頭の儀(了)