​​​「にげてさがして」


にげるために、さがすために、
きみのあしは、ついている。
きみが「想像力をつかうのが苦手な人」から、ひどいことをされてしまったとき、すべきことはひとつ。
自分を守るために、その場から逃げること。
きみの足は、「やばいものから逃げるため」についている。
そして、「きみを守ってくれる人」「きみをわかってくれる人」を探すためだ。

にげて、さがして、
うごいて、うごいて——


【みどころ】
世の中には、色んな人がいる。得意な事だって、苦手な事だって、みんなちがう。きみだって、そうだ。

だけど、想像力を使うのが苦手な人がいて、時にひどいことを言ってきたりすることがある。
もしきみが、そういう人にひどいことをされてしまった時。するべきことは一つしかない。
とにかく、その場から逃げること。きみの足は、そのためについている。

一方で、世の中には、優しい人もたくさんいる。
だからこそ、きみは探しに行かなくてはいけない。
自分で動いて、自分で考えて、自分で決めて。逃げて、探して、動いて、動いて……。

逃げずに戦うことも大事だけれど、逃げることで新しい可能性に出会えることだってある。
子どもたちには、両方の道を知っていてほしい。
作者ヨシタケシンスケさんの、強い思いが込めれたこの絵本。
読み終わっても、まだまだ続く物語。
どうか、きみのことを探している人を、きみが見つけることができますように。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)


ヨシタケシンスケさんの絵本には、いつも考えさせられるし励まされる。
落ち込むことが多い人は、ぜひ、「読む心のお薬」として手元に置いてください。​​