交通事故の脊髄損傷で、脊髄空洞症で素因減額が認められた判例 | 交通事故の脊髄損傷
2010-05-07 19:16:26

交通事故の脊髄損傷で、脊髄空洞症で素因減額が認められた判例

テーマ:ブログ


大阪地方裁判所平成14年12月13日判決

(自保ジャーナル第1491号) 

年齢

59歳

性別

男性

職業

自称運送業(判決では運送業に従事していた事実は認められなかった。)

事故状況

原告が高速道路で普通貨物車に同乗中、被告運転の乗用車に追突され、玉突き事故となった。

後遺障害等級

原告主張:1級3号
自賠責:加重障害1級
裁判所認定:1級3号

原告の主張する
後遺障害の内容

非骨傷性頸髄損傷、左手・両下肢麻痺

素因減額

75%

素因(既往症)の内容

脊髄空洞症・過去の交通事故の後遺障害

備考

原告の事故当時における身体状況からすれば、事故当時就労していた事実は認められず、将来において就労する蓋然性があったとは言い難いことから、休業損害と後遺症逸失利益は認められなかった。


本裁判例の内容



本裁判例は、玉突き追突事故の被害を受けた原告が、非骨傷性頸髄損傷の傷害を負い、左手、両下肢麻痺の1級3号の後遺障害を残したとして訴えを提起し、因果関係及び素因減額が争われた事案である。



原告にはもともと血管芽細胞腫(脊髄腫瘍)に伴う脊髄損傷空洞症の既往症が存在した。さらに原告は、昭和59年11月の交通事故により後遺障害3級3号が残り、前件事故における損害賠償請求訴訟(大阪高裁平成2年(ネ)第2512号においても、原告の後遺障害は3級3号、後遺障害に対する事故の寄与割合は2割(脊髄空洞症の寄与割合が8割)と判断されていた。



原告の損害賠償請求に対し、被告は、原告が脊髄空洞症等の既往症及び過去の事故の後遺障害により、既に1級3号に該当する状態にあったものであり、原告主張の損害と本件事故との間に因果関係はない、仮に因果関係があるとしても、本件事故の寄与割合は1割以下であると主張した。



裁判所は、原告が本件事故以前には杖を用いながらも自力で歩行できていたにもかかわらず、本件事故直後に両肩以下がほぼ完全麻痺となり、治療及びリハビリの結果、右手は若干動かせるものの、左手及び両足が完全麻痺の状態となったことからすれば、本件事故と原告の受傷及び後遺障害の発生には因果関係があるとした。



しかし、裁判所は、①原告にはもともと血管芽細胞腫に伴う脊髄空洞症の疾患があり、同疾患は脊髄の機能を障害するものであること、②本件事故による衝撃は比較的軽微であること(原告と同乗していた原告の息子は加療約13日間を要する頸椎挫傷を負ったにすぎない。)、及び③原告の頸髄損傷も非骨傷性のものであることから、原告の後遺障害は本件事故の衝撃のみによるものではなく、既存の疾患である脊髄空洞症もその原因になっていると考えられると認定した。



そのうえで、裁判所は、脊髄空洞症と前件事故とが相まって生じたとされる後遺障害が残存していたこと、脊髄空洞症は進行性のもので、原告は本件事故がなくても5,6年後には車椅子の使用が必須である可能性があったことからすれば、原告に生じた損害の全部を被告に賠償させるのは公平を失するものであるとし、損害の公平な分担の見地から、損害額の75%を減額した。


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