ネットに香山リカさんのコラムが載っていました。紹介します。鳥

 “いまの若い人たちは、悩みがあると友人や家族ではなくAIに相談するのだという。
 そう聞いても、使ったことのない人は「本当にそんなことがあるのか」とすぐには信じられないのではないか。私も同じだったのだが、精神科の診療ではときどき「AIはこう言ってるんだけど本当にそれでいいのかな」などと言う人に会う。まるで「部活の先輩」か「いとこのお姉さん」のような感じなのだ。
 私もためしに「仕事に自信がありません」といった問いを投げかけてみたら、気持ちの持ち方から元気を出すための体操、心のなぐさめを得られる本までをたちどころにアドバイスされ、本当に驚いた。「あなたは悪くない」と言ってくれるので、相手はAIとわかっていてもなんだかホッとする。
 AIが人間を癒やしてくれる、もうそういう時代なのか、と思っていたある日、こんなことがあった。「最近、家で測ると血圧が高くて」とやって来たシニア女性に、「寝不足やストレス、何か思いあたることは?」ときくと、「保護されたネコを飼い始めたんだけど、夜よく鳴くから何度も目が覚めるの」と答えた。
 「そうか、そのネコちゃんのせいですね。なれたらネコも夜、静かになるかもしれないし、血圧の薬を増やすのはもう少し待ちましょうか」と言いながら、そのあとはしばしネコ談義。私も地域で保護されたネコを飼っており、スマホで写真を見せると、「あら、ウチのとそっくり。きょうだいかも」と盛り上がった。そして、診察の終わりには「ネコって本当にかわいいですよね」と笑いながらうなずきあったのだ。
 ネコはもちろん何も話さない。おすすめの本や音楽も教えてくれない。それどころか、ときには夜に鳴いたり粗相をしたりして、飼い主を困らせる。でも、あのあたたかいからだや柔らかい毛をなで、ニャーンという愛らしい声をきくと、なんとも心が満たされる。
 まだまだ人間も動物もAIには負けていない。人間の友だちやわがままなネコをこれからも大切にしなきゃ、と思ったのだった。(かやま・りか 精神科医、総合診療医)”
ニコニコ
   「人間も動物もAIには負けていない。人間の友だちやわがままなネコをこれからも大切にしなきゃ」 そうです!人間ができることはまだまだたくさんあります!飛び出すハートキューン