スイカを育てる、舌切り雀 | 西村治彦の日記

西村治彦の日記

日々の出来事を書いています。

スイカを大きくする。舌切り雀


今年は夏が暑くて スイカが 甘く 美味しく出来た年でした。


 新人たちが 春に スイカの苗を植え付け、水をやり、肥料をあげて、スイカが 大きくなりました。10個ほどスイカが成りました。 初収穫のスイカを二つ 取って、新人たちと私ほかで食べました。とても美味しかったです。とても甘かったです。こんなに 自分たちで作ったスイカが美味しいのなら 毎年 作りたいと思いました。


 収穫したスイカが とても美味しかったので、残りの8つのスイカを もっと 大きくして みんなにも 分け与えて、楽しく 食べようと 思いました。そのまま 畑に植えたまま 水を上げ、肥料を与え、更に 大きくしようと、私の指示で みな 頑張りました。


 でも なかなか 残りのスイカは大きくなりません。でも 普通のスイカは 大きいし、もっともっと 大きくなるはずだ。水を上げ、肥料を上げ、八百屋で売っているくらいの 大きなスイカにしよう!


 1週間経ち、2週間たち、でも スイカは一向に大きくなりません。しかし いつかは グッと 大きくなるはずだ。

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私の大学時代の友達が 千葉事務所にある「スイカ畑」を 指導を兼ねて、見にやってきました。


彼は多摩市に住んでいて、ご両親は農家を長いこと やっていました。彼も 両親と一緒に 農作業に 長年 従事してきています。

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 彼が うちの「スイカ畑」に着くやいなや、「臭いな!」と言いました。私には その「臭い」の意味が分かりませんでした。スイカは立派に成っているではありませんか。上から見た状態では 成長段階の立派なスイカです。


 彼は 畑に横たわっているスイカの一つを裏返しました。


「プーン!」。真っ赤な中身が、まるで 大きな赤貝が口を開いたように 見えました。

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「これだ!臭いのは!」。 スイカは 見事に 中が ガランドウになり 赤い果肉が腐敗して 小ハエが 住み着いています。


 「ありゃー! やられた!」


 やられたのではなくて、熟れすぎて、スイカは割れて 中身はガランドウです。


「臭い、臭い!ウエー!」。

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上から見ると完璧なスイカですが 裏返すと それは 腐敗した生ごみでした。


何が いけなかったのでしょうか? 

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他の残りのスイカも 叩くと 変な音がします。軽い「ポンポン」という音です。紙風船を叩いたような音です。


「西村、全部ダメだよ。全部 腐っている!」


私は 大きくして みなで食べようと 期間を延長して 育ててきたのに、もう 熟れすぎて 残りのスイカは 全滅だそうです。


 今年の夏は 終わった気がしました。


「欲を出すと すべてを失う」。そんな 御伽噺(おとぎばなし)を思い出しました。


欲を出して 大きな箱を 持ち帰った意地悪な「お婆さん」は 箱の中から「妖怪や、鉢、蛇など」がたくさん出てきました。欲を出さず、小さな箱を受け取った 「舌を切られた雀を助けたお爺さん」は、箱の中から「小判や宝物」がザクザク出てきました。「舌切り雀」の話です。


適度に大きくなったスイカを食べていれば「甘い、美味しいスイカ」であったのに、欲を出して「それ!もっと大きく、もっと大きく!」と叫びながら 欲を張った私は「腐った生ごみ」を貰うことになったのです。


 昔からの 言い伝えの「御伽噺」を もっと 勉強して、人生に役立たせるべきだと考えました。 反省、反省です。


来年は 思い切り 反省して 欲張らず、小さいうちに スイカを収穫して、食べたいと 思いました。