『痛風二十二年物語』十五話 -お前はいつも一緒だ- | 『 痛風二十二年物語 』・『 桜 と 痛風 』

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『痛風二十二年物語』十五話

“ お前はいつも一緒だ ”晴れ

8/29 (金曜日)


病室へ戻ると、家内が来ていた。

家内の顔をみてほっとする自分がいた。

長い間連れ添っているのに、

あらためてお前はいつも一緒だ と思った。

「疲れた?」家内が言った。

ベットから移動する際が、しんどいことを話すと、

「そう・・・。」とほほ笑んだ。

「下着、取り換える?」

「ああ、取り換える・・・手を貸して・・・」

家内が間仕切りのカーテンを閉めた。

「今日は、腹部のエコー検査 てやつだよ。」

「30分くらいやってたと思うよ。」

「そうなんだ・・・。ずいぶん長かったわね。」

寝巻の裾をつくろい、下着の取り換えが終わった。

「お水飲む・・・。」吸い飲みの水をくれた。

家内の横顔が心もち、元気がないように見えた。

今までになかった、我が家と病院の往復が日課となり、

飯炊きならぬ 私のおさんどんをするのである。

疲れているのだと思った。


土産袋から何やら取り出した。


「トランジスタラジオ、持って来たわよ。」

「イヤホーンがついてるから夜でも聞けるでしょ。」

「ここを、こうして何回か巻くと


充電もできるみたい。」

「いいでしょ。ね。」

「ああ。消灯が早いからなかなか寝付けないし・・・」

「それと、これ。」

黄色いペンギンの可愛らしい置時計 だった。

時間が良く見えていいと思った。

色々と気を使ってくれて、ありがたかった。

辺りがそれとなく騒がしくなり、


スープのような匂いが漂うと、



間もなくして昼食が 運ばれてくる。

もったいないので、家内に食べるよう勧める。

そんな中、看護師がやってきて、

「小林さん、今日からお薬が出ますので、


食後服用して下さいね 」

そう言うと、トレイのスペースに、


5種類の薬が置かれた。

一回にこんな 沢山の種類を飲むのかと、思った。

看護師が 続けた。

「これとこれが、痛風治療の薬です。」

「これは、炎症を抑える薬。」

「血圧が高いので、これが降圧剤。」

「あと・・・胃腸薬。ですね。」

「宜しくお願いします。」

炎症を抑える薬とは、ステロイド剤8ミリだった。

血液検査の結果、特に炎症反応が高く

思い切って8ミリから服用し、


まずは身体の痛みを和らげる必要があった。

入院前に飲んでいた量では、


とても足りていなかったのである。

だから、身体はどんどん痛みをまして、


炎症も全身に広がり、熱も出たんだ。

私の身体は、もはやパンク寸前の状態だった。



― 続きは今度。よかったらまた読んで下さい。―


卒業花 ”卒業花”晴れ