スーパー等で売ってる乾麺そばを食べ比べて見た。味の差はあるのだろうかと。

 

Ⓐ「みなさまのお墨付き 信州そば 自家挽きそば粉を使用」~株式会社おびなた(長野県長野市戸隠2640)製造、西友販売

 

Ⓑ「トップバリュベストプライス 香りとのどごし そば」~滝沢食品株式会社倉科工場(長野県千曲市大字倉科1335)製造、イオン販売

 

販売者を見ればわかるように西友、イオンの両大手スーパーの取り扱い販売となっている。製造はどちらもそば処長野である。

Ⓐはいつも食べているそば。今回はざるそばで食べ比べてみた。つゆは「ヤマサ」の「昆布つゆ お得な3倍濃縮」である(自分は、いつもつゆはかつおだしや昆布だしの1L容量のタイプを使っている)。具は、今回は食べ比べということであげ玉のみにした(具に関しては、自分はいつもかけ、ざる問わず、定番のねぎの他、あげ玉、オクラ等を使っている。)。

自分の場合、そばについては、生めん、乾麺のこだわりがない。とはいえ、生めんのそばの、いわば「肉体労働者のためのそば」のような「ジャンクフード」感覚が忘れられないのであるが(「肉体労働者のためのそば」のような「ジャンクフード」感覚といえば、昔横浜に住んでいた時によく食べた横浜駅西口交番前の「きそば 鈴一」を忘れるわけにはいかない。立ち食いそば屋で、確か生めんを使っていたと思う(おばさんが一杯につき一袋そばを出して釜に入れていたのを見たので、多分)。店の雰囲気は、入口の戸は開け放しており、カウンターのみで半露店といっていいだろう。カウンターは横に一列のみで、カウンターは10人も陣取れば満席になってしまう。だからどんぶりを持って外で食べている人も数人いた。まさに「労働者のためのそば屋」という感じで、失礼ながら朝夕の通勤サラリーマンが店に群がって貪り食う様は、残飯を貪り食うネズミの集団といった感じである。味の方は、しかしこれが旨いのである。つゆ、だしの選択、それらの水との分量比、そしてめん、と絶妙の加減が合わさって独特の妙味になる。結局のところ、家系ラーメンもそうだが、横浜という街ならではの、労働者が好む味ということなのだろう。何の上品味もなく、即席感が漂い、つゆも家系ラーメンにありがちのような多少脂がにじんだような関東風の濃い味なのだが、一日の仕事で疲れ、帰りに一杯といった気分の体にガツンと心地よく来る味なのである。水も水道水から汲んだ水に違いないはずだが、このそばを食べている最中、あるいは食べ終えた後にはなぜか美味しく感じるのである。「エビアン」だ、「六甲のおいしい水」だ、そんなものはお呼びではない。ここまで読んでいただければお分かりかと思うが、そう、自分は食べ物に関しては高級志向ではないのである。例えば、高級ホテルで何万もする上等な高級料理を食べたいとはまったく思わない。

さて、そんな「きそば 鈴一」なのだが、2年くらい前に小旅行で横浜に行ったついでに横浜駅に寄ったらまだ健在で営業していた)。

 

さて味比べである。味に関しては自分の下では差がないと感じた。それよりもコシという面で(そばの場合、実はこの部分が一番重要なのかもしれない)Ⓑの「トップバリュベストプライス 香りとのどごし そば」のほうがあるように感じた。まあ、市販の乾麺のそばなんてどれも大差ない感じだろうか。「機械量産」の限界という気がする。手打ちのそば専門店に敵うわけないか。

しかしどんな料理も料理する人が違えば一変するのである。料理は「腕」プラス「センス」である。めんのゆで加減、水切りから盛り付け、具の選定に至るまで料理の上手い人は何か自分流のコツがあるようである。つまりまったく同じ素材を使っても人によって味に雲泥の差が出るのである。

 

今回は唐突に乾麺そばの味比べをざるそばでしてみた件の話をしたが、ざるそばといえば最近はざるそば専用の四角い器の中に竹すだれを載せてその上にそばを盛って、という食べ方をしなくなった。料理ってこういう雰囲気作りも大事だと思う。容器ひとつで味に格段の違いが出る(勿論、見た目だけではなく機能的にも味に影響を与えるのだが)。そうそう今回忘れたが、ざるそばといえば上にきざみ海苔である。そして肝心な薬味としてわさびも忘れてはならない。と言ってきたが、自分はいまだに食べた後にそばつゆにお湯を入れて飲む意味がわからないのであるが。