映画「アウトブレイク」(1995年製作)を彷彿とさせる現実。
2015年のビル・ゲイツさんの予言通り、パンデミックに準備不足だった世界。
あの名曲「なんでもないようなことが~幸せだったと思ぉう~」が沁みる昨今。
世界中がコロナに翻弄されたこの数か月。そして同時に、長い間不可能だと
思われていたことや、非常識と思われていたことが、リアルになり始めたのも
また事実です。
会議アプリZoomの1日の利用者数が一気に30倍になり、現在3億人、
日本では長年リモートワークは実現されませんでしたが、可能な業界では
すぐ導入できました。それに伴い、会社(社屋)って本当に必要なのか、
絶対的に出勤する必要性があるのか、など今まで当たり前すぎて議論の
対象にもならなかったことが真剣に問われています。これから一気に
不景気になることで、人手不足ということばも死語になり、バブル期並みに
入社のハードルを下げてきた企業も、突然就職氷河期並みの難しさに
逆戻り。複数の一部上場企業は昨年から45歳以上の希望退職者を募って
きたので、この不景気を機にバッサリ行くでしょうし、しばらく転職も難しく
なります。3密が敬遠されることから、音楽、演劇、お笑いライブなど屋内で
開かれるイベントはNGになり、映画を観るにも外食するにもキャパの50%
程度しか入れないでしょう。普通に乗っていた新幹線や飛行機も以前の
ようには乗れなくなりますし、そもそも出張が劇的に減ると予測します。
私たちは価値観とライフスタイルの変革を余儀なくされます。
一方、一連の報道を見ていて変わらないと思ったのが、日本人の国民性
や考え方。3月中旬から、日を追うごとに急激に悪化していくニューヨークの
現状を目の当たりにして、東京も1か月後にこうなると思いました。
現在5月15日、新規感染者数は100未満、毎日500名以上亡くなっていた
ニューヨークとは比較にならないくらい少ない感染者数です。報道では
遺伝的要素や、予防接種などのワクチンが効いているなど、様々な憶測が
ありますが、僕は日本人の衛生概念と、お上への従順さも一因ではないか
と考えています。
僕は高校、大学、社会人と足掛け約5年アメリカに住んでいましたが、
アメリカ人は家でも靴を脱がない。ベッドの上でも平気で乗っかります。
あと手を洗う習慣が徹底されていない。マスクをする習慣もない。
外出禁止令が連邦政府から出ても、「オレたちの自由を奪うな!」と
3密状態でデモに参加する人々。。。日本人は自粛と言われると一部の
人を除いて基本的には従うし、自粛警察と呼ばれるような人まで登場します。
今回(今後はわかりませんが)コロナ拡大が限定的だったのは、こうした文化
的背景も一因だと思われます。
コロナで変えなければいけないこと、変えない方が良いこと、私たちが
ひとつひとつ丁寧に考え、実践していく必要がありそうです。
ちなみにコーヒー業界は価格が高いものから、リーズナブルなものにシフト
していく、とICO(国際コーヒー機関)は予測しておりました。世界的不況なの
ですから当たり前で、そんなことKCK(児玉コーヒーの勘)でもわかります。