「最近は映画を観ない」と書いた昨日の発言とは打って変わって、いきなり今日映画を観てきた。『ハウルの動く城』だ。さすがに公開5日目ということもあり、長蛇の列。うまいぐあいに上映の40分前に映画館に入ったので、結構前に並び、良い席が取れた。
 アニメーションを映画館で観るのは、『ドラゴンボール』以来だ(笑)。最近のジブリ作品はもっぱらビデオをレンタルして家で鑑賞してばかりだったから、期待と不安が入り混じっていた。

 とても心温まる映画だった。ジブリということで映像の素晴らしさに特に納得させられた。MovieWalkerというHPに「血縁でない新たな家族制、若さと老い、自由と契約、善と悪といった両義的テーマを複雑にからめながら、…(後略)」とあった。なるほど、確かにその通りだ。ただ、本題は「愛」だったな、と思う。一般的な「恋愛」だけではない。生物を愛する、平和を愛する、全てを含んだ「愛」。それがこの映画の一つの軸だったと思う。
 
 見方を変えると、さらに面白い発見もできる。私は、男の弱さ、女の強さが表現された映画でもあったように思う。人前では、強く、綺麗に装い、振舞う「ハウル」の本性は、弱く、臆病者だ。動く城の中での彼の言動はそれをよく表している。一方の「ソフィー」は、自分には魅力がないと思い込む性格であり、帽子屋の若い女の子達のようには振舞えない少女だった。自己嫌悪の感が否めなかったのに、ストーリーが進むにつれて、とても強く、凛々しいおばあさんになっていく、気が付いたらハウルを支えているし、90歳のおばあさんとは思えないほど若々しい。

 さて、そんなソフィーにかかった魔法が途中解かれていったのか、最後まで解かれていないのか、観終わった今も定かではない。現在、過去、未来をさまよっているようで、夢の中の出来ことであるようで、『ハウルの動く城』の世界観はものすごく不思議だ。魔法が解けたのかと思って観ていたが、よく観ると最後のシーンのソフィーは、白髪が残ったまま。う~ん…、この理由は一体??