【ほっともっと・のり弁】

 学生時代のお弁当と言えば、登校前に母親が朝、詰めたものをお昼に食べるというものが定番で、ジャータイプのものありましたが、大変大きく持ち運びには、向いておらず、工事現場の職人さんがよく、利用されていたようです。

 

 お店で持ち帰りのお弁当を購入しても、冷めている物ばかりで、レンジで温める事もありませんでした。(そもそもコンビニなど無かった)
 

 そんな時代に、作り立ての温かいお持ち帰り弁当が登場した時には、涙が出る程うれしかった事を思い出します。

 

 持ち帰り弁当の定番は、なんと言っても、「のり弁」をお思い浮かべる方も多くおられると思います。

 

 持ち帰お弁当の大定番「のり弁当」は、多くの弁当店で、低価格で提供される、サービスメニューです。

 

 「白身魚のフライ」「ちくわの磯辺揚(ちくわ天)」という、具材に、のりとかつお節の「猫まんま」の上に、具材が乗せられている、飽きないお弁当です。

 

 「のり弁当」の定番スタイルを作ったのは、持ち帰り弁当チェーンの「ほっかほっか亭」(現、ほっともっと)から始まり、それを他のお店が取り入れ、現在の「のり弁」が定着したようです。

 

 大定番の「のり弁」は、昭和30年代当時、お弁当と言えば、「のり弁当」や「おにぎり」が一般家庭で用いられていたものをモデルにしたと思われます。

 

 白ごはんの上に、かつおとしょうゆでまぶした猫まんまをご飯にかけて、海苔を上に乗せたものを弁当として持たされておりました。

 

 給食が無い高校時代は、母親の作ってくれた、のり弁か購買のパンを食べていました。

 

 1976年にほっかほっか亭第1号店を出す時にそれを「のり弁当」として発売したのです。

 

 のり弁に使う食材は昭和の時代に、各家庭で常備していた、かつお節、のり、しょうゆといった長期保存の物を利用し開発したのでした様です。

 

 発売当初は、「焼き魚(ホキのみそ漬け)」を1枚1枚焼いて乗せていましたが、冷凍技術の進歩もあって、冷凍の白身魚を揚げてフライに変化して行ったそうです。

 

 コロッケやメンチカツではありきたりだし、食材費はコロッケとほぼ同じなのにグレード感もあり、1品では、寂しいという事から、追加されたのがちくわ天(鯛ちくわをイメージ)で、ちくわを縦半分に切って衣を付けて揚げるだけで、さほど手間もかからず、満足度も上がります。

 

 ありきたりな食材ではなく、食材費の割にグレード感があり、手間がかからないという、実に現実的な理由と一食完食した時の満足感から選ばれたおかずでした。

 

のり弁当は基本的に仕様を変えていませんが、常に進化しているようです。

 

ばちくわには、「歯応えのある食感」にこだわり、配合比率の工夫をし、味を優先させてタチウオのみを使用しているようです。

 

 白身フライに使っている魚もスケソウダラで、厚みを生かして、極力つなぎやパン粉を少なくして魚のおいしさを楽しめるように工夫されている様です。

 

  おかかごはんも、元々かつおフレークを使用していましたが、現在は、こだわりの「花かつお」をごはんにのせて、だししょうゆを使用している様です。

 

 ベストセラー商品でも利益率は低く、¥390(税込)と大変安価で提供されています。

 

 コンビニと比べると、ごはんの量も多く、一食完結型なので、ボリュームがあり、のりも分厚くて大きく、切れ目を入れて食べやすくしているほか、ミシン目を入れているので、口溶けが良くしている様です。

 

 その下のかつお節も極薄にスライスしているので、口に残ることなく食べられます。

 

 あまりにも定番すぎるのり弁ですが、我々の知らないところで、絶えまなく進化し、企業努力の塊の様なお弁当であったことを知ると、なんか久々にのり弁がたべたくなってまいりました。

 

 なんてでも手に入る、豊かな時代になりましたが、たまには、懐かしいのり弁でも食べながら、お金がなかった頃の思い出を、家族や仲間と共有するのも、良い時間の使い方かもしれませんね。

 

<画像2/5>ほっともっとからボリュームアップした新のり弁当が発売 - 電撃オンライン

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