【信州・小布施堂の朱雀】

 長野県信州小布施にある、小布施堂というお菓子屋さんには、1年間で9~10月にしか食べられない、絶品の栗菓子が存在します。

 

 今回は、長野県、信州・小布施堂の「栗の点心 朱雀」をご紹介いたします。

 

 採れたての新栗を蒸して裏ごししたものを、砂糖も何も加えずに、そのまま栗あんの上にふわりと盛り、栗の繊細な風味を損なわぬよう、注文をしてから作られています。

 

 「栗そのものの味を、お客様ご自身に確かめていただきたい」いというお店の思いから、作られており、畑から新栗が届く1カ月間、小布施堂本店・本宅のみで味わえる一品です。

 

 ※     栗の状態によっては、提供できない事もある貴重なお菓子です。

 

 期間限定という事もあり、朱雀が提供される時期には、整理券を求める方で、連日早朝より大行列が出来ましたが、現在は、ネット予約専用になり、早朝からの行列は無いようです。

 

 以前訪れた時は、早朝(3:00)から、入り口にシートをおいて、整理券をゲットしましたがそんなこともしなくて済むようになりました。(未来だわ!!)

 

 小布施堂は塩問屋、茶問屋、菜種油、酒造業、薬屋などを手広く営む商家。中核が江戸中期の1755年(宝暦5)に創業された桝一市村酒造場からはじまりました。

 

 その桝一が明治30年代(1897-1906)に栗菓子製造に乗り出し、当時の缶詰技術と酒屋としての工場制生産方式を導入して「栗かのこ」を作りました。

 これが小布施堂(1923年株式会社設立)の前身となるようです。

 

 小布施か界隈は、町並みも美しく、観光する場所も多くあり、小布施堂の他にも、栗を使用した美味しいお菓子屋さんもたくさんありますので、お気に入りのお店を見つけるのも旅の楽しみ方の一つかもしれませんね。

 

 驚嘆すべきなのは戦国武将・福島正則の菩提寺でもある曹洞宗・岩松院(がんしょういん)本堂の天井に描かれた、葛飾北斎の「八方睨み鳳凰図」があります。

 

 90歳で亡くなる前年に北斎が描いた畳21畳の大作で、中国から輸入した岩絵具を用い、これまで一度も塗り替えは行われていない、博物館レベルの日本画が、166年たった今でも実に色鮮やかに、お寺の天井に描かれたものを鑑賞できます。

 

 ちなみに、俳人、小林一茶が詠んだ名句「やせ蛙 負けるな一茶 これにあり」のやせ蛙は、こちらのお寺の池にいた蛙を見て詠んだ句だという事です。

 

 おいしいお菓子を頂いたついでに、歴史の狭間にタイムスリップし、悠久の時を感じて見ては、如何でしょうか?

 

栗の点心 朱雀

今日のおやつはこれ

 

 

 

 

 

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