前回、サピックスの渋幕①の入試における女子受験生の併願パターンを、2020年(コロナの影響前)と2022年で比べました。
表だけ再掲しますと以下のとおりとなりました。
渋幕①女子受験生の併願先
渋幕①女子 | |||
2月1日 | 2020 | 2022 | |
桜蔭 | 42% | 桜蔭 | 43% |
JG | 24% | JG | 22% |
渋渋① | 18% | 渋渋① | 17% |
雙葉 | 4% | 雙葉 | 4% |
広尾① | 3% | 早実 | 4% |
2月2日 | 2020 | 2022 | |
豊島① | 44% | 豊島① | 34%(-10%) |
渋幕② | 26% | 渋幕② | 31%(+5%) |
渋渋② | 20% | 渋渋② | 24%(+4%) |
慶應SF | 3% | 慶應SF | 3% |
昭秀② | 2% | 吉祥② | 2% |
2月3日 | 2020 | 2022 | |
豊島② | 31% | 筑附 | 35%(+16%) |
筑附 | 19% | 慶中 | 25%(+7%) |
慶中 | 18% | 豊島② | 15%(-16%) |
小石川 | 12% | 小石川 | 8% |
東邦後 | 5% | 東邦後 | 3% |
女子の共学校人気はどこまでいくか?
上記で明らかなように、渋幕①の受験者において、2月1日に関しては桜蔭・JGなど女子校の人気は堅調でしたが、2日、3日は明らかに共学校の人気が上昇しています。筑附の急増は入試が4教科入試になり受験し易くなった影響もあると思いますが、慶応中等部も増加していますし、やはり共学校人気という要因は大きいでしょう。他方で、豊島①②に関しては、やや心配になるくらい渋幕①受験者における併願割合が減少しています。ここからすると、やはり最優秀層における共学校人気は本物とみなければならないでしょう。
ここからさらに女子校から共学校への流れが加速するのかはわかりませんが、今後みるべきポイントは渋幕①女子受験者における2月1日受験校の動向です。
ここで桜蔭・JGから渋渋①への動きが出てくるようになると、本格的な地殻変動が起こると思います。要注目です。
桜蔭・JG志望へのサピックスの影響
ただ、女子最優秀層において桜蔭・JGの受験割合に変動がないのは、サピックスの影響によるのかもしれないと思うところです。このデータはサピックス生だけのデータであることは忘れてはいけません。
サピックスでは、6年後期から学校別対策のSSが始まります。桜蔭・JGはどの校舎でも冠コースがあり、中規模校舎以上であれば単独の冠コースとなっている場合が多いと思います。しかし、渋渋単独の冠コースはおそらくなく、また渋渋の名前がSSコース名に入っている(例えば「桜蔭・渋渋」とか「女子学院・渋渋」とか)校舎も限られていると思います。つまり、サピックスでは渋渋はあくまで桜蔭・JG等の併願校扱いになっているのが現状なのです。
そして、6年後期SSにおいて、桜蔭プリントやJGプリントを使って学校別対策を必死でやってきたら、1日は渋渋①ではなく桜蔭やJGを受験したいと思うのが自然です。渋渋は2日にも5日にも受験できるのですから、1日は桜蔭かJGを受験しようと思うのが普通でしょう。そのように考えると、女子最優秀層における桜蔭やJG受験が堅調なのは、サピックスの影響も非常に大きいのではないかと思うのです。
他方で渋幕①女子受験生における豊島①②の激減もこれで一部は説明がつくように思います。私の知る限り、豊島岡も単独冠コースが設置されている校舎はほとんどなく、桜蔭やJGコースにおける併願校扱いになっているものと思われます。そうすると、「サピックスであれだけやったからどうしても豊島を受験しよう」という受験生は桜蔭・JGとの比較では多くなく、渋渋や渋幕など共学校の人気動向の影響が併願割合に如実に反映されるのではないでしょうか。
そうなってくると、サピックスが今後渋渋単独のSSコースを設置するか否か、設置したとしてそれを多くの校舎で実施するか否かは、今後の桜蔭・JG・渋渋の動向を見る上で重要なものになってくると思います。
少なくとも渋渋の現在の人気を見ても、第一志望渋渋という子は多いでしょうし、サピックスも無視できるとは思えません。渋渋SS単独冠コース設置は時間の問題ではないかと思うところです。
もしうちの校舎では既にありました、あるいは今年から設置されます、ということがあれば、コメントやメッセージで教えて頂ければと思います。
-------------
我が家の中学受験総括記事はこちらです↓
中学受験総括⑥-6年開始から夏休み前まで(1週間スケジュール)
中学受験総括⑫-6年9月から12月(必須の模試と他塾模試の必要性)
-------------
-------------
↓A3プリンタはいずれ重宝するので安い時期に購入されるのがおすすめです(定番ブラザーの2段トレイ機(MFC-J6983CWD)で現在なら40,000円くらいで購入できればいいと思います)。
↓これまでに書いた低学年~5年生くらいまでに使用した家庭学習用問題集に関する記事です。
↓社会科を得意とする子向けに、さらに一歩先に行くためオススメの本の紹介です。
↓以下は主に6年生向けのオススメ問題集に関する記事です。
↓以下は幼少時のオススメ知育玩具などに関する記事です。
--------
↓よろしければ押して頂けると嬉しいです。