2022年11月7日に、防衛省北関東防衛局から情報提供があったとして、V-22オスプレイが2023年1月以降、陸上自衛隊立川駐屯地に飛来するという情報が公開されて以来、以前からオスプレイ反対を唱えていた地元議会や市民団体は、陳情や抗議活動をくりかえしてきました。

木更津駐屯地から立川飛行場への飛来は、「陸上自衛隊輸送航空隊の技能習得」「並びに首都圏における大規模災害発生時の人員・物資の緊急輸送等に備えるため」を目的とし、月数回程度の見込み、とされていました。

 

実際に飛来したのは、2023年2月1日午前11時前、3月28日午後2時50分頃、そして4月5日の午前です。

事前通知はしないとのことでしたが、実際には飛来前日に地元8市のホームページで、北関東防衛局からの情報として、予告が掲載されています。

地元住民に対して具体的な説明が全く行われず、住民の不安が一向に解消されていないことは、立川飛行場周辺自治体連絡会から防衛当局に対する要請の中でも、再三指摘されているとおりです。

 

2023年3月28日 立川飛行場内で訓練中のオスプレイ

左手奥に見えるのは、米軍横田基地に着陸する飛行機

 

 

3回のオスプレイ飛来を体験した砂川の住民は、まずその爆音の凄さを実感しました。

オスプレイ飛来の前に、消防や陸自のヘリコプターが何機か飛行するようですが、その騒音とは全く異なるレベルの、オスプレイ特有の衝撃を感じたのです。

特に、基地内で繰り返される降下と浮上の際の騒音レベルがすさまじいといいます。

 

砂川平和ひろばを含め地元の市民団体は、急な飛来通知にも機敏に対応し、反対運動や監視活動を続けてきました。4月に入ってからは、防衛省北関東防衛局に直接電話をかけて、面会の要請も行いました。立川市のホームページには、本件(立川飛行場への陸上自衛隊V-22オスプレイ飛来について)の問い合わせ先として、北関東防衛局の電話番号(048-600-1804)が明記されていたからです。

しかし、運用に関することは立川基地の方へと言われ、申し入れは拒否されました。

陸自の立川基地が、そのような面会や説明を独自の判断で引き受けるとは思えません。

 

今後、飛来の頻度が増せば、地元で経験した者でしかわからない爆音への不安は募る一方でしょう。テレビの音もかき消され普通の会話が中断されるストレスは、日常化しかねません。

そのような現実は、オスプレイが既に配備されている他の自衛隊および米軍の基地周辺の住民にとって、強いられた日常なのだということも思い知らされます。

 

また、沖縄県の宮古島周辺で起きた陸上自衛隊ヘリコプターの墜落事故をはじめとする軍関係の墜落事故の多さを考えると、軍事訓練の一環であるがゆえの危険な運航(低空飛行)や操作が原因かもしれない、という疑念も生じます。

それは、隊員自身の命を危険にさらすことに他なりません。

地元住民がオスプレイ飛来に反対し自らの不安や疑問を表明することは、他の地域の住民の声と合わせて、人々の生活と命を大切にしようという訴えなのです。

 

2023年4月5日午前 砂川上空を飛ぶオスプレイ