昨年来、オスプレイの自衛隊立川駐屯地への飛来計画が伝えられ、ついに2023年2月1日㈬に飛来することが発表されました。当日は複数の市民団体が立川駐屯地正門前で、抗議および監視行動に参加しました。

当初、立川市ら周辺8自治体が防衛省から伝えられたところよると、月に数回の訓練が予定されているようでしたが、その後の飛来は目撃されませんでした。

詳しい日時などは公表されそうもありませんでしたが、再来の気配を感じ取った市民たちが、3月16日㈭朝、再び自衛隊ゲート前に集まり、オスプレイ反対を表明しました。

今日(3月17日)の東京新聞は、早速その模様を伝えています。

 

「オスプレイいらない」 立川駐屯地近くで市民団体が抗議:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)

 

オスプレイ飛ばすな!立川市民の会、立川自衛隊監視テント村、立川市民連合、砂川平和ひろばなど、様々な市民団体のメンバーが参加しました。

結局この日は、オスプレイの姿は現われませんでしたが、2月1日の初飛来以降もオスプレイをめぐる不信感は払拭されず、周辺住民の不安は消えません。

 

たとえば立川市HPの「プレスリリース」によると、同月、防衛省北関東防衛局が、米側からの説明として、「オスプレイのクラッチを原因とする特有の現象の発生を予防するため」「一定の使用時間を経過した一部の部品を交換することにした」と伝えてきたそうです。「あくまで予防的な措置であり、オスプレイの機体自体の安全性に問題はない」ことが強調されています。

しかし、「全てのオスプレイについて、一定の使用時間を経過したものは部品交換の対象となっていますが、対象となる機体が所属する部隊や機数などの詳細については、米軍の運用体制に関することであり、お答えできません」とのことです。

オスプレイに関するプレスリリースについて | 立川市 (tachikawa.lg.jp)

 

沖縄でもアメリカ軍がオスプレイについて、部品交換のため一部機体の飛行を停止すると発表しましたが、沖縄の普天間基地所属の機体が、その対象となっているのかどうかは不明のまま、沖縄の空を飛び続けているといいます。やはり「一定の飛行時間に達した機体が対象」というだけで、地元自治体である沖縄県が質問しても、「運用体制に関すること」だとして対象機体の数や所属部隊についての詳細は明かされないのです。

米軍オスプレイ 部品交換で一部機体が飛行停止 普天間基地所属機が対象かは不明 - YouTube

オスプレイの「飛行制限」その経緯は? – QAB NEWS Headline

 

米軍であれ自衛隊であれ、軍の論理で成り立っ特殊な機構である点は同じです。「国」を守るという大義の下で、異なる「国民」同士の殺し合いを前提とする組織だからです。

その論理が社会全体の空気になってしまうのを防ぐためにも、市民が直接声を上げることは必要でしょう。世界に向け「民主」を標榜してやまない国家が、民主主義の基本の通用しない軍隊という組織を肥大化させ続けるとは、なんと理不尽なことか。

 

 

かつて立川市議会は、2015年5月に防衛省と外務省から、CV-22オスプレイを横田基地に配備するという米国政府の通報を伝えられて、「地元自治体や周辺住民に十分な説明責任をはたすことなく、突然の計画を発表したことは、まことに遺憾である」と表明しました。そして「ハワイ州で発生したMV-22オスプレイの死傷事故など、これまでに起きた事故の原因を究明することを米国政府に求める」決議をしました。

(2015年7月25日付「たちかわ市議会便り」第297号より)

立川市議会だより_01 (tachikawa.lg.jp)

 

その後も立川市議会は、「あらためて〔横田基地への〕配備撤回を要請すべきと考えるが」どうか、など多くの問いを提起しました。それに対する清水庄平市長の文書回答では、「オスプレイの配備など外交・安全保障に係る事項につきましては、国の専管事項であり、意見を申し述べる立場にはない」としつつ、基礎自治体として住民の生活を気遣い、「国及び米軍に対し徹底した安全対策を講ずるよう」求めるばかりでした。

281bunsyositsumonkaitou.pdf (tachikawa.lg.jp)

 

地方自治の原理や、憲法がみとめる一人一人の権利をめぐる基本的な問題が、問われているといえます。