こんにちは!ぽんぽんです。
普段は映画の感想はサクッとfilmarksに書いてるんですが、
いろいろ思いがあふれて長くなりそうなので
こっちに書きます。
ネタバレ注意です。
では、さっそく!
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ざっくりあらすじ:
19世紀のイギリスが舞台。古生物学者のメアリー(ケイト・ウィンスレット)
貴重な大発見をしているのですが、当時は圧倒的男性優位社会というのもあり、
メアリーの存在自体が忘れられているようでありました。
人と関わらずひっそりと化石の発掘をしていましたが、
ある日上流階級の人妻シャーレット(シアーシャ・ローナン)を数週間預かることになります。
決して社交的ではなく、どちらかというと無骨で愛想の悪いメアリーでしたが、
徐々にお互いにひかれあうのでした・・・。
という話です。
上映は2021年で当時はケイトとシアーシャの二大女優の共演!しかも恋愛!という部分で話題、注目を集めていました。
確かにそれはそうなんだけど・・・同性愛を描いただけでなく、女性の権利についても考えさせられる内容でした。
当時は女性の立場が低くて、男性の経済力に頼って生きるのが当たり前でした。
それゆえ、メアリー(実在の人物)は論文の発表をできなかったようです。
時代が変わり、メアリーの研究、発見はかなり大きなこととして評価されたようです。
一方のシャーロットも裕福な男性と結婚して、きっと言われるがままに生きていて、流産もして、
女性として生きる選択肢は当時子供を産んで育てること、ほぼそれ一択だったと思うんです。
なので流産して当時の価値観でいうと自分は何もできないんだ、という悲観的な思いであったんでしょうね。
何世紀もかけて、女性は自由に生きる選択肢が広がり、正当に能力を評価される権利を獲得したんだな、と思いました。
せっかく選択肢、権利があるんだから、行使したいですよね。まだまだ日本では難しいところがあるけれど。
実在の人物ですが、同性愛者という証拠はないので、この映画はこの恋愛要素の部分はフィクションとして
見たほうがよいかもしれません。本当のことじゃないのに勝手に作って!
と冷めた目で見ないほうが良いかと。映画として素晴らしい作品と思います。
メアリーとシャーロットの恋愛が展開するのがかなり後半なんですけど、
それ以前は、母と子ような、友達のような、そんな感じなんですね。
ぽんぽんはあえて恋愛に発展しなくても、
階級の垣根を超えた友情関係で終わらせてもよかったんじゃないかな・・・
と思ったり、思わなかったり←どっちやねん
ラストシーンはいろいろ解釈できるんですよね・・・。
シャーロットはなんていうかグイグイとメアリーにアプローチする感じでして。
メアリーをロンドンに呼び出して、自分の豪邸の一部屋をメアリー用にプレゼントするというシーンで
メアリーどん引き。自分は発掘の仕事があるから今の住まいを離れたくない、と。
そりゃそうだよなぁ。いくら母が死んで一人ぼっちになって寂しいからって、田舎暮らしでマイペースに
暮らしてたのに、いきなり都会の喧騒でしかも相手は結婚していて、自分は2号じゃん、っていう状態ですわよ。
ご近所にバレバレやん。プライド傷つくでしょ。
シャーロットの押しの強さが裏目にでたシーンでしたねぇ。
そして、仕事を大切に、生活の一部として生きてきたメアリーと、経済的に豊かでおそらくのほほんと生きてきたシャーロットの価値観の違いや生き様の違いが明らかになった瞬間でした。ひとときはお互い孤独さを分かり合えたのに、切ないものです。
怒ってメアリーは大英博物館に行って、自分が発掘した化石が展示されているショーケース前に行くんです。
で、そのショーケース前に現れるシャーロット・・・。見つめあう二人。
この後!この後!このあとぉぉぉぉぉ!!ってなります。
ぽんぽんとしては、
メアリーは「私をあの部屋に閉じ込める気なの!?」っていう目で、
シャーロットは「あきらめないから!」っていう目に見えたんだよなぁ。
シャーロットはたぶんあきらめないと思う。
なんとかして関係を続けようとしたと思う。
だって、タイトルがアンモナイトの目覚め、なんだもん。目覚めだよぉ。←日本語タイトルだけどね。
目覚めちゃったんだから、自分の生きる道みつけちゃったんだから、たやすくあきらめないでしょうよ。
しかしそれには、シャーレットよ、メアリーの仕事に対しての理解が無いとダメだよ・・・
シャーレットがメアリーの仕事に対しての理解が進めば、遠距離恋愛するんじゃないかな・・・二人は。
そして、最後に・・・主演女優二人がすごい!!!
ケイト・ウィンスレットのオーラが全くなかったのに驚き。女優ってすごいわ。
でもシャーロットの影響からか、うっすら顔色もよくなって、表情もでてくるんですよ。この変化のつけ方!
そして、シアーシャ・ローナンは最初こそ、流産のショックで鬱状態で、くらー--い感じの女性でしたが、
メアリーと過ごすうちに明るさ、天真爛漫さを取り戻し、見違えるように美しくなるんです。
かー--、女優ってすごいな、ですよ←さっきから同じこと言ってる・・・語彙が・・・(-_-;)
登場人物は少なくて、ほぼこの二人のお芝居です。それで最後まで飽きさせないのですから、
彼女たちの演技のすばらしさと監督の演出のすばらしさを感じました。