【ALSの痛み】クランプ(つり)で発症した47歳男性 | やまいものsay it with flowers

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嚥下困難、上肢、肩の筋力低下があります。2015年3月6日にALSと診断されました。脚の調子はいいので、てくてくお散歩をつづけています、いまは小康状態かな。
いままでのALSブログのまとめは、右欄で。。

 

 

 

ALS(筋萎縮性側索硬化症)の症状のひとつ。

 


痛みについて、の続きです。
 

 

前回ブログ(→こちら)。
 

 

ALSには、いろいろな痛みがありますね。

 

 

ランセット誌の2017年2月号の「Pain in amyotrophic lateral sclerosis」ALSにおける痛みの引用です。

 

 

症例と解説という形にしました。

 

 

いろいろな症例、全部で3症例ですが、

 

 

1例目は、クランプ(つり)のある47歳男性の場合です。

 

 

 

 

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著者はトリノ大学医学部↓の

Adriano Chiò教授(アドリアーノ教授)

 

 

論文です。↓

 

 

ランセット誌は臨床医学のトップジャーナルです。

 

 

以下、長文です。m(_ _ )m

 

 

 

 

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論文のなかの症例です。

 

 

有痛性クランプ(つり)で発症したALSの例です。

 

 

 

 

 症例1 47歳男性の場合

 

 

 

47歳男性、発症前に2年にわたって有痛性クランプ(つり)がふともも、ふくらはぎ、おなかにあった。

 

 

クランプ(つり)は運動でよくおこり、痛くて動けなくなることもあった。また睡眠中にもおこった。

 

 

かかりつけ医を受診したところ電解質の製剤が処方され、筋緊張をとるマッサージをうけたが、症状は治まらなかった。

 

 

専門医を受診する2か月前ごろ(発症からは2年後)から、ふくらはぎと足の前側面に筋力低下と筋萎縮を感じはじめた。

 

 

そして有痛性クランプ(つり)はしだいに強くなり、安静時にもおこるようになった。

 

 

専門医を受診したところ、神経学的検査によって深部腱反射などの異常反射がみとめられ、広範に線維束収縮(fasciculations: 関連動画が下にあります。別の例ですが)が認めらた。

 

 

針筋電図を実施したところ、両下肢に広範に自発電位が認められ、慢性の神経原性変化も認められた。

 

 

脳および脊椎のMRIでは異常がなく、血液所見でCPKが軽度上昇していた。

 

 

この患者はALSと診断され、リレゾールが開始された。

 

 

また心臓に不整脈のないことが確認され硫酸キニーネが就寝前に投与された。

 

 

その結果、有痛性クランプ(つり)は減少し、強さも弱くなった。

 

 

 

 

 

(やまいも注)

 

 

症例はALSのクランプのおこりかたを解説するためのものです。

 

 

診断過程をしめしたのではないで、念のため。

 

 

 

 

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解説(アドリアーノ教授)

 

 

 

 

1  ALSのいたみの発生時期

 

 

ALSの痛みは筋力低下がでてくる前に生じ、2年以上前から出現する場合もある。

 

 

そして筋力低下の発症時には、有痛性のクランプが通常、手や足にみられることが多い。

 

 

10%の患者では肩の痛みが主症状となり、ふとももの筋力低下を伴っていることがある。

 

 

34%の患者では痛みが主訴である。(痛みで受診する)

 

 

また進行期になると痛みは増加する傾向にあり、しばしば鎮静剤や鎮痛薬が必要となる。

 

 

 

 

 

2 クランプの原因

 

 


ALSの痛みの原因として筋強直やクランプ(つり)は一般的なものである。

 

 

クランプは1/4のALS患者に認められ、四肢型のALSに多い傾向にある。

 

 

クランプは運動ユニット(下位運動ニューロン、神経線維、それにつながる筋)の不安定性によっておこり、針筋電図の脱神経所見と関連する。

 

 

 

 

3 クランプに対しての治療

 

 

治療は各種薬剤で症状を緩和する。

 

 

理学療法やマッサージが有効な場合もある。

 

 

 

 

 

なお、ALSの痛みの原因は下図のように多くあります。

 

 

 

 

次回、また別の例をみてみます。

 

 

 

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感想(やまいもの感想です)
 
 
 
 
クランプでの痛みから発症した47歳男性、ALS患者の例でした。
 
 
筋力低下のかなり前にこうした兆候がでるのですね。
 
 
そういえば私もそうだったような。。
 
 
しっかり経過をみていただくことが必要ですね。
 
 
痛みに関しては対症療法も、たいせつですね。
 
 
クランプ(つり)に関しては各種お薬がありますね。
 
 
いたみのコントロールしっかりとおねがいしたいものです。
 
 
また
 
 
上位ニューロンケア(大脳)も必要ですね。
 
 
たとえば食事、睡眠、できる範囲での運動など。
 
 
ストレッチなども必要かと思います。
 
 
ALSは進行性といわれていますが、環境因子もありますね。
 
 
いい環境をつくることが転換点になる。
 
 
私やまいもはそんなふうに思います。
 
 
いい環境でなんとか、粘っていきましょう。
 
 
 
 

 

残りの2例はまた後日とさせてください。。
 
 
 
ここまで長文、お読みいただきありがとうございました。m(_ _ )m

 

 

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続編はこちら
 
 
第一回 ALSにおける痛みの概略(→こちら

第二回 クランプ(つり)のある47歳男性の場合(→こちら)(このブログ)

第三回 神経因性疼痛のある57歳女性ALS患者 (→こちら

第四回 侵害受容性疼痛の56歳男性の場合(→こちら

第五回 痛みがあることが問題であると気づくこと(→こちら
 
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文献
 
 
1)Chiò A, Mora G, Lauria G. Pain in amyotrophic lateral sclerosis. Lancet Neurol. 2017 Feb;16(2):144-157.
 
 
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参考動画:

 

 

医学雑誌new england journal of medicineに

舌の線維束収縮(fasciculation)の動画がありました。

 

 

(→こちら、のページにあるVideoのところをクリックしてくださいね)