麻薬取締法第64条の2第2項にいう営利の目的の意義 最高裁判所第2小法廷決定 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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麻薬取締法第64条の2第2項にいう営利の目的の意義

 

最高裁判所第2小法廷決定/昭和41年(あ)第2277号

昭和42年3月3日

麻薬取締法違反被告事件

【判示事項】    1、麻薬取締法第64条の2第2項にいう営利の目的の意義

2、麻薬粉末を計量小分けするため所持する行為と売りさばきを依頼してその1部を他人に交付する行為との罪数

【判決要旨】    1、麻薬取締法第64条の2第2項にいう営利の目的とは、麻薬の交付、所持等の行為によつて財産上の利益を得ることを動機とする場合をいい、共犯者に融通していた金員の回収を図ることが、犯行に加担した動機である場合もこれに含まれる。

2、共犯者が被告人の自宅に持3した麻薬粉末約260グラムを、売りさばきに便ならしめるため、100グラム単位に計量小分けする際、右共犯者と共同所持した行為と、同日右麻薬粉末のうち約100グラム包1個を、右共犯者とともに近くの喫茶店に携行し、売りさばき方を依頼して第3者に交付した行為との間には、それがともに営利の目的に出た場合であつても、牽連関係は成立せず、両者は併合罪の関係となる。

【参照条文】    麻薬取締法64の2

          刑法45

          刑法54-1

【掲載誌】     最高裁判所刑事判例集21巻2号383頁