広島高等裁判所岡山支部判決平成30年3月29日
配転処分無効確認等請求控訴,同附帯控訴事件
【判示事項】 1 大学教員に従来担当していた授業を担当させず学科事務のみを担当するよう命じる職務変更命令は職務の内容を変更するものであり,当該変更に伴って従来使用していた研究室からキャリア支援室への移動を命じる研究室変更命令は勤務場所の変更を命じるものであるから,これらは全体として配転命令の性質を有するとされた例
2 控訴人兼附帯被控訴人(一審被告)Y学園が本件職務変更命令の必要性として指摘する点は,授業内容改善のための各種取組み等による授業内容の改善や補佐員による視覚補助により解決すべきものであり,解決不可能なものとは認められないこと,配転命令後に被控訴人兼附帯控訴人(一審原告)Xが担当する学科事務の内容は具体的に検討もされていなかったこと,キャリア支援室のみを研究室として使用することは困難と認められることから,配転命令である本件職務変更命令および本件研究室変更命令は業務上の必要性を欠くものであり,Xに対して通常甘受すべき程度を著しく超える精神的苦痛を負わせるものであるから,権利濫用として無効であるとされた例
3 本件職務変更命令および本件研究室変更命令は,Xに対して通常甘受すべき程度を著しく超える精神的苦痛を負わせるものであるとして,100万円の慰謝料の支払いが命じられた例
【掲載誌】 労働判例1185号27頁