第7部 事業再生・廃業編
第1章 総論
現経営者が事業承継の対策を十分にしたとしても、事業承継がそれで成功するわけではありません。後継者が事業承継を受けた時点で、すでに債務超過の状態にあるならば、その債務の返済や金利負担のため、すぐに倒産してしまうことがあるからです。
そのようなことになっては、何のために苦労して後継者に事業を承継させたのか分からないことになってしまいます。一般に、後継者は現経営者と比べて、会社の経営能力や経験が不足しがちであることから、現経営者は事業承継の対策と同時に、事業再生の対策をとっておくことが必要になることがあります。
また、会社の財務状態によっては、事業を承継させるのではなく、事業を廃業させることも視野に入れておかなければならないでしょう。
中小企業においては、代表取締役社長が通常は、金融機関に対して個人保証をしているので、社長個人についても破産・再生の手続をとることが必要になるでしょう。
この章では、事業承継の際に考慮すべき、事業再生・廃業の手法について説明します。