2 特定遺贈と包括遺贈 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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2 特定遺贈と包括遺贈

1)定義

 特定遺贈とは、遺贈の対象が特定の財産である場合や種類によって指定されている場合をいいます。包括遺贈とは、遺贈の対象が遺産の全部または一定割合で示される場合をいいます。例えば、「遺産の三分の一を与える」と遺言に書くことです。

 遺贈を履行する義務がある者を遺贈義務者と呼びます。通常は、相続人がこの立場につきますが、遺言執行者があるときは、相続人に代わって遺贈義務者となります(民法1015条、1012条)。

2)遺贈の登記手続

 遺贈の登記手続は、特定遺贈、包括遺贈のいずれについても、受遺者と遺贈義務者との共同申請(不動産登記法60条)によるべきものとされ(東京高決昭和4498判時57238頁)、相続人または遺言執行者は、受遺者と共同して、「遺贈」を登記原因とする所有権移転登記申請をしなければなりません。相続人と受遺者は利害が対立することも多いため、遺贈による権利移転を円滑に行うには遺言執行者の指定が望ましいといえます。

3)遺贈の放棄

特定遺贈の場合、受遺者は、遺言者の死亡後、いつでも、遺贈の放棄をすることができます(民法9861項)が、包括遺贈の場合、受遺者は、相続人と同一の権利義務を有する(民法990条)ことになり、遺贈を放棄したい場合には、自己のために遺贈があったことを知った時から3か月以内に放棄しなければなりません(民法9151項)。