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NEWS 江戸川区教組

2025/8/22/NO.2505 江戸川区教職員組合(江戸川区東小松川3-35-13ニックハイム船堀204)

フッ化物洗口 意見交流会を開きました

              

7月4日(金)18時から、タワーホール船堀405にて「フッ化物洗口意見交流会」を開催しました。

実施校の様子や養護教諭の方から電話で教えていただいた現状などについて出し合いました。

長年にわたって「フッ化物洗口」に反対の立場で研究し、とりくみをされてきた東京教組養護教員部(現在休部中)の元部長のIさんからは

「今の子どもたちにはむし歯はほとんどない。治療勧告が出されるのは、むしろ歯肉炎や歯垢、歯石などが原因の歯周病。実態に合っていないのでは?」という指摘がありました。

10年以上前から、江戸川区議会で審議されてきた経緯の紹介もあり、驚きの声が上がりました。

「フッ化物洗口」問題の核心に迫る意見交流ができたように思います。

主な討論を報告します。

 

 

 「フッ化物洗口」について

A: 学校で養護教諭から洗口液をもらって、実際にやってみた。何とも言えないまずい味。1分間もブクブクと口のなかでうがいをするのはとても苦痛だった。

子どもは大変だろうと思う。

子どもに実施する教員は、フッ化物洗口が実際にどういうものなのかを試してみた方がよい。

 

B: 吐く子どもがいると聞いていたが、なるほどそういうことなのか。「ブクブク、ペッ」と吐き出せずに飲み込んでしまう子どもも出るのでは?

 

C: 江戸川区は保育園でも実施を検討しているようだが、WHO(世界保健機構)では「6歳以下のフッ化物洗口は禁忌」とされている。 

幼児はブクブクうがいができない。

 

D: WHOでは、「6歳以下のフッ化物洗口は禁忌」ということだが、孫の発達を見ていても分かる。

「グチュグチュ、ペー」とやれるのは6歳からだった。

6歳近くにならないとやれない。

 

E: 「幼児は水で練習し、ブクブクうがいができるようになってから実施せよ」と東京都教育庁(R5年)から文書が出ている。 

 

C: 保育園児への実施は、危険性がさらに増大する。

 

  健康被害・事故発生のおそれ 

A: 洗口液をつくる薬品ミラノール顆粒は鍵のある保管庫で管理するとされている。

また、洗口後はそのまま流さず、水で薄めてから水飲み場で流すとされている。 

毒性が強いからだ。 環境汚染に繋がらないか?

 

B: 歯科医師の「フッ化物洗口指示書」に従い、実施日当日か前日、養護教諭か学校常勤職員が洗口液を作るとされている。

申し入れ時に区教委は「養護教諭の負担が大きいから、SSS(スクールサポートスタッフ)に作らせる」と言っていた。 

本来は医療行為で、歯科医師か薬剤師が行う調合をSSSにさせてよいのだろうか。 

 

C: 日教組教研集会でS県の教員が「洗口液の希釈を間違えて実施してしまった。今でも自分を責めている。」

と涙ながらに報告していた。 

実施県からは、事故報告が多数出されている。 

 

D: そんな危険なことを、こんなに忙しい学校に丸投げするなんて…。  

事故が起きてからでは遅い。

 

E: 低学年の誤飲がこわい。 

洗口液を1分間も口の中でブクブクできるのだろうか。

フッ化物を過剰に摂取すると、フッ素中毒や斑状歯(歯の表面に白い斑点ができる)などのリスクがある。

長年洗口していると、口の粘膜を通して毒性が浸透していかないか? 

心配だ。

 

 

  なぜ導入されたか?

A: 区議会の議事録を読むと、公明党の議員が2010年(H22)からフッ化物洗口を強く推奨している。

2024年(R6)健康推進委員会では、自民党の議員も「小6、中1むし歯罹患率がワースト1位。今は19位、20位」と煽っている。

公明党は、予算特別委員会総括で、党として「フッ化物洗口の粘り強い推進を要望」、合わせて「保育園での全園実施」を要望。 

2023年(R5)第3回区議会定例会では、自民党議員が「本区の小・中学生のむし歯罹患率が他より高い。未処置数も多い。学校現場でどのように取り組むのか」と質問。 

教育長は「中一の永久歯の平均未処置指数、2021年(R3)0.34本。 23区中最下位。平均値は0.20本。

2022年(R4)は0.20本。 23区中18位。平均値は0.18本。 かなり改善している。

フッ化物洗口はモデル校で実施。学校歯科医師会、歯科医師会と連携してしっかり取り組んでいきたい」 と答えている。

 

B: 平均未処置指数0.20本って、どういうこと?

 

C: 一人の生徒の未処置のむし歯が0.20本ということよ。

 

B: えー、1本以下ってこと?

 

C: そうよ。今はむし歯はすごく減っている。健康診断で治療勧告を出すのはむし歯ではほとんどない。

出すとしても歯肉炎とか、歯石とかが多い。

 

E: ある養護教諭に電話したときに、「『区や歯科医師会から言われているからやらなきゃならないが、歯垢が残っているので歯みがきが大事だと校長とも話している。

むし歯がへったエビデンスはあるということだ。今は歯肉炎が問題』と自校の歯科校医は言っている」と伝えてくれた。 

そういうことだったんだね。

 

F: 子どもたちの実態に合っていないよね。 

 

 

   今後のとりくみ

区教組は、昨年末以来、フッ化物洗口について、区教委申し入れを2度行い、養護教諭に向けたアンケートを実施しました。

全校の約4割の38校から回答があり、フッ化物洗口への疑問・不安という意見が自由記述に多数寄せられました。

 

区教組は、一人職種の養護の方に情報を共有してもらうために、申し入れ報告やアンケートのまとめなどをできるだけ速やかに返すように心がけてきました。

電話や職場訪問で養護の方たちから意見を直接聞かせていただく機会もありました。

 

目の前の子どもたちの実態をしっかりつかんで、何が必要かと考えて話されているのがよく分かりました。 

むし歯の治療勧告はほとんどないことを何人もの養護教諭(歯科校医も)が指摘していました。 

保育園児への実施という新たな課題も浮かびあがってきました。

 

現場教職員の声を聞かず、トップダウンで一方的におろされる施策が、新たな業務となり、養護教諭をはじめとした教職員に過重労働を強いるものになっています。 

そして、子どもたちの健康被害や事故発生にもつながりかねないのです。

 

秋には、保護者や議員、養護教諭、教職員を対象にした学習会を予定しています。 

ある学校の保護者説明会では保護者が疑問を訴え、フッ化物洗口に反対する発言もあったとのこと。 

「フッ化物洗口、何が問題か」を学んで、子どもたちや保護者の問いにも応えていきたいと思います。 

開催の案内は、追ってお知らせします。 

ご参加を!

 

 

お知らせ

 ☆彡   関東ブロック 母と女性教職員の会 記念講演  

 

9月7日(日)までアーカイブ配信。ご視聴ください。視聴後、アンケートにご回答を。 

 

講演:子どもの未来を拓く~子どもの権利条約がめざすもの

講師:柳原 由以さん(弁護士)

 

 

 

☆彡 東京教組憲法学習会 教室での憲法 

           教室で、憲法をどのように伝えていますか?

〇8月30日(土)15時~17時   日本教育会館 8階     

              教室のとりくみを紹介し合おう!