卒業式の練習もいよいよリハーサルになってきた頃だった。
「えー、矢沢は転校することになった。」
え…転校!?
教室がザワザワし始めた。
…転校しちゃうの…??
「皆ごめん。卒業式俺見ておこうと思ったけど、
その日が引っ越す日なんだ…。」
そ…そんな…!
「ということだ。残り少ないが、皆矢沢といい思い出を作るように。」
「はーい。」
私は矢沢くんが転校してしまうことに
とても大きなショックを受けてしまったのだ。
しかも卒業式に一緒に出れないなんて…
卒業式に告白してみようと思ったのに…。
卒業式の練習で、矢沢くんはずっと見ているだけだった。
証書授与の時に、私は矢沢くんのことをずーっと見ていた。
…休み時間…
「ねぇちょっときてくれない?」
「へ?」
そう言われて矢沢くんに呼ばれた。
私は心臓が止まるかと思った。
「あのさ、これ。」
矢沢くんに渡されたのは、一枚の紙だった。
見てみると、住所と電話番号とメールアドレスが書かれていた。
「これって…!?」
「新しい家の住所と電話番号と俺のメルアド!
これでいつでも連絡できるだろ?」
「で…でもなんで私なんかに?」
関わりが少なかったのに、なんで私だけなの?
「もっと他にもいい女子がいるはず…。」
「…君じゃなきゃだめなんだ。」
え………?
「あ、じゃあ俺行くね!ごめんな!」
矢沢くんは、どこかへ行った。
一体今のはなんだろう。
窓から見えた自分の顔は…真っ赤だった。
続く。