就学牌―明治の意気込み
「就学牌」というものがあったことに驚きました。「真鍮製で直径3センチほどのメダルのような」もので、京都市学校歴史博物館に展示されたとあります。これは「就学奨励のため、京都府は明治9年、学校に通っている子供に携帯させた」もので、「着けていない子供を見ると役人や警官が就学を勧めた」といいます。
現代の人権屋が聞いたら「差別だ、人権無視だ」と目をむくことでしょう。しかし、私は論者同様に「少し胸が熱くなった。明治初期、国も人も貧しかったときに、日本の総力をあげて『教育』に取り組もうとしていた心意気」を感ぜざるを得ないのです。
教育行政の役割は結局のところ督学とその為の奨学ででしょう。督学が過ぎて学校と生徒を競争に追い込む勘ちがいをする行政が多いのですが、一度明治の教育近代化の精神に立ち戻り謙虚な姿勢で教育行政に励むべきです。
【資料1】産経新聞 平成30年1月7日 【日曜に書く】きょうは「人日」…人の道たる「道徳教育」の歴史をたどってみた 論説委員・山上直子
【資料2】Sanseido Word-Wise Web [三省堂辞書サイト]