心が壊れてもなお渇望するーー
それは「究極の愛」



お友達からお借りしたアンソロです。
あまりアンソロは買う方ではないんだけど、
これは気になっていたんですよね。ラインナップも良かったし。
通常こういうアンソロは気に入った作品が3作くらいあればいい方なんだけど、
これはですねー、結構みなさん力作揃いだったと思います!
もちろん、作品の好き嫌いなどもあるし、
なかには嫌悪感を抱かせるものもあるでしょう。
でもそれで成功なのかな?何せ病みですからね!
思わず顔を背けたくなる、背筋がゾゾッとする……それこそが狙い目なんじゃ。

とはいえ私も一度読んだだけじゃ
「ん?」となって思わず二度三度読んだ作品もあるんですけどねww


アンソロジー「病みBL」
病みBL (GUSH COMICS)/海王社
¥1,000 Amazon.co.jp
「偏執病、SM、心中、×××……歪んだ愛を極めたメリーバッドエンドアンソロジー」BL界初の『メリーバッドエンドアンソロジー』が遂に登場!実力派の作家陣が織り成す至高のストーリー。『病みBL』のタイトルの通り、愛するが故に心を病んでいく男たちの「究極の愛」をお楽しみ下さい。
執筆陣:SHOOWA、(原作)綺月 陣×(漫画)山本小鉄子、(小説)六青みつみ×(イラスト)緒川千世、タクミユウ、倫敦巴里子、紺色ルナ、タカハシマコ、麻生ミツ晃、黒田 屑、大島彰子コラム:高永ひなこ、雨隠ギド、小山田あみ、高宮 東、松木加斎、黒岩チハヤ



9作品が漫画で1作品が小説になっています。
全部じゃないけど、ちょっと心に残ったものを。。。

巻頭は紺色ルナさん。
「さよならバイバイまた会う日まで」
高校生同士なのかな。
幼馴染で恋人同士?でも恋人といっても受けの葵は脅迫性障害を患っている。
なので他人に触られるのを極端に嫌がるのでもちろんHもなし。
Hできる日がくるとしたら自分が死ぬ時・・・なんて言うんですよね。
でも攻めの椎名はそれでもいいと思っている。
そんな時、葵からの電話で何か起きたと察した椎名が葵の家へ行ってみると・・・
そこにいたのは血まみれの葵で・・・。


これも最初、一度読んだだけじゃよくわからんくて読み直したww
早まっちゃいかんよ、若者たち!!と
言いたい気持ちがあるが、これはもう葵の持っている闇が深いので
彼らはこの道をとるしかなかったのか・・・と。



倫敦巴里子「俺は忘れない」
大学生の洋一には彼女がいる。
しかしその彼女がどうやら最近何者かにス/ト/ー/カ/ー行為を受けているらしいのだ。
その犯人はしかも洋一をも狙っているようで・・?


これも何度か読み返してしまいましたww
ええ、私の理解力がなさすぎなのですww
ミステリーの雰囲気の方が強かったかな。
それよりも洋一のバイト先の店長の夜な夜な帰ってくる死/体の話の方がゾゾっときたわー!



綺月陣×山本小鉄子「アネモネ」
双子?の兄弟、ユキオとタカシ。
崩壊した家庭のなかで取り残された二人の兄弟は、
いつしか身体を繋げるようになるのだが、
ある日ユキオが海で溺死体として見つかる。
以来、タカシとユキオが育てていたイソギンチャクのアネモネが異常に成長を始めて・・。


うん、これも何度か読んじゃったww←おい
ああ、なるほどね、なるほどーと思うまでにちょっと時間がかかったというか・・ww
でも久しぶりの綺月さんの作品、なんだか嬉しかったわー。
こんなカタチでもいいので、綺月さんの作品をやっぱり読みたいなって思ってしまいました。
小鉄子さんってオリジナルは明るいのが多いのに、
原作付きは結構暗いものが多いと感じるのは気のせいだろうか?



タカハシマコ「小鳥はとっても歌が好き」
SNSを通じて見知らぬ男性から告白された宇田川。
最初こそ面白がっていた宇田川だが、その告白の主である小鳥という人物が
なんだか自分を常に見ているような書き込みをしてくる。
気味が悪くなって親友の日和に相談をする宇田川。
そこで相手を罠にかけることに。。。
罠をしかけ相手をおびき寄せたところに来たのは彼らの高校の先生で?


タカハシマコさんは可愛らしい絵柄で可愛らしい感じのお話というイメージがあったので、
こういうアンソロに参加すること自体が驚いてしまいました。
でも可愛い絵柄だからこそ、ちょっと読後に背筋に悪寒が・・・。
ちょっとしてやられた感がありましたね。



六青みつみ×緒川千世「アムネジア~記憶の改竄~」(小説)
ファリエル王子の従者であるフレイは、
隣国が攻め入ってきてファリエル王子を陵辱する現場を目撃してしまう。
身を潜め隠れていたお陰で敵に見つからずにすんだフレイだったが、
その現場に駆けつけてきた近衛騎士ヴァリウスが敵を蹴散らしフェリエル王子を助けるところを見届けたあと、記憶が途切れてしまう。
気付くとそのヴァリウスが自分を介護しているではないか。しかも、自分をファリエル王子と呼ぶのだ。
王子を想うあまり、きっとあの現実を受けとめたくなくて気が触れてしまったんだな・・と同情し、
フレイは王子の振りをするのだが・・・。


これはこのアンソロのなかで唯一明るい将来の展望を描くことができた作品かな?
もちろんそうなるには、攻めの努力と根性と愛情がとっても必要となるのですが・・。
この攻めならば大丈夫そうだよね。
これ、すごーーーく続きが気になるので、
是非文庫化して欲しいーーーーー!!!



SHOOWA「I will be with you forever」
一切セリフなし!
まさに絵のみで見せてくれます!
コミカルなのにすごく怖いっっっっっ!!!!
一組のゲ/イカップルがケンカをしてはずみで運悪く相手を死なせてしまうのだ。
でも、死なせた彼のことをとてもとても愛していたため、
彼の死/体を・・・・・・
という実に猟奇的なストーリーです。
も、も、もしかしたらこんな人、マジでいるかもしれない・・・と思ったら恐ろしいわーー!
レクター博士のハンニバルを思い出しちゃったよ。。。。



麻生ミツ晃「青いカルテ」
高校のカウンセラーとして赴任してきた光彦。
初めての患者は有森という生徒だった。ふとしたことで知ってしまった彼の身体に残る虐待の跡。
親身になっていくうちに、有森の異常な執着が光彦を支配していくのだった。


これってDVにある「ダメな人だけど本当は優しい人なの、だから私がついていなきゃ!」って
やつですかね!
カウンセラーなのに彼の闇に引っ張られてしまうんだよね。
ラストの「その子を僕に返してください」ってのが怖いーー!




他にも戦時中の兄弟の話だとかもあったりと、
内容はバラエティに富んでいたと思う。
皆病んでいますがねwww
あ、病みBLですもんね。
でも、病みというよりはミステリーなものもあったりしました。

世の中にはいろんな愛のカタチがありますから・・・
でも、やっぱり猟奇的だったり、痛いのは嫌だなー。。。
それから味方だと思っていたのが実は・・・って展開も怖過ぎる。
結構、そういう話ってリアルに聞くじゃないですか。
うう、人間って怖い・・・って思ってしまう。


全体的に・・・
H度ドキドキドキドキドキドキ
ストーリー度満月満月満月満月
といったところでしょうか。




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