弁慶(青木崇高)登場/平清盛 第13回「祇園闘乱事件」 | (不肖)大河ドラマ批評家「一大河」の批評レポート

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不肖・大河ドラマ批評家「一大河」が、古今の大河ドラマのレビューを
つづっていきます。

平清盛 第13回「祇園闘乱事件」レビュー


◎『平清盛』登場人物/キャスト



神輿を射たときの如く、朕を射てみよ。
(鳥羽法皇)




【あらすじ】
1147(久安3)年6月15日。
清盛は田楽奉納の警護のため、盛国、兎丸らとともに祗園社を訪れていた。



そんな清盛たちの前に金覚・銀覚と名乗る法僧が立ちはだかった。



ふたりは兎丸とは旧知らしいが、盗賊・朧月の息子が平氏の下に
ついていることを罵りはじめる。



あまりの言われように頭に血がのぼった兎丸は、銀覚が流血するまで
頭突きを食らわせる。



神域が血で汚されたと辺りは騒然となり、矢の飛び交う乱闘事件にまで
発展した。
これが世に名高い、祇園闘乱事件である。



この一件により、比叡山延暦寺の僧たちは、平氏一門に厳罰を下すようにと
強訴を起こす。



院の命令で強訴の鎮圧に乗り出した源氏たちだが、僧たちが担いでいる
神輿には、侵すと天罰が下るとされており、何人も手を出せずにいた。



そんな騒動の只中で、神輿に矢を放った者がいた。
清盛である。



神をも畏れぬ清盛のふるまいに、あたりは静まり返る。



忠盛の館に戻った清盛は、騒ぎを大きくしてしまったことを一門に詫びるも、
神輿に矢を射たことは故意にやったことだと主張する。



このことが朝廷に知られると、忠盛と清盛に流罪の裁きが下るのは必至と
考えた忠盛は、沙汰があるまで清盛と検非違使庁で蟄居※することを
決めるのであった。

※ちっきょ。家内に閉門の上、謹慎させること。



朝廷では、忠盛父子の処遇について諮問会議が開かれていた。



藤原頼長は、平氏の武力が朝廷を脅かしつつあることを憂い、
「忠盛父子を流罪に処するは妥当」と説く。



対して信西は、世の安寧のためには、「むやみに武士と朝廷と
寺社のかかわりを乱さぬことこそ治天の君のなすべきこと」
と進言する。



頼長と信西の意見は対立し、判決は持ち越しとなるのであった。



【レビュー】
平清盛 第13回「祇園闘乱事件」はいかがでしたか?



「龍馬伝」の後藤象二郎役で一躍その名を轟かせた、青木崇高氏演じる
鬼若(のちの弁慶)、後の源平合戦のキーパーソンが登場しました。



新キャラ鬼若登場を今回のイチオシとしたいところですが、
本当の「見どころ」はここではありません。



なぜなら

「随所に散りばめられた回想シーンが意味するもの」こそ、今回のみならず、
「平清盛」第2シーズン全体の重要な要素となっているからです。



なぜか今回の放送は、第一回「ふたりの父」の回想シーンがふんだんに
盛り込まれていましたね。



加えて、物語のキーアイテムである双六(さいころ)も登場しました。



これらが意味するところは何でしょうか?



それは、

「清盛が、もののけと畏れられてきた白河法皇を超えた存在であること」

に他なりません。




例えば

父・忠盛が清盛に語って聞かせた白河院の「三不如意」

「賀茂河のみず、双六の賽、山法師、是ぞわが心にかなわぬもの」


白河院がその強大な力を持ってしても思い通りに出来ぬものとして
語ったとされる、『平家物語』の巻一に書かれている逸話です。



清盛は、神輿に矢を放つという神をも畏れぬ行動で、白河院ですら
手こずった山法師を黙らせてしまいましたね。



さらに、「双六」の意味するものは何でしょうか?



忠盛は、清盛に実母・舞子のことを

「陰陽師の世迷言をものともせず、白河院という巨大なお方に盾ついた女子」

と語って聴かせていましたね。



実は

忠盛がこの話を「双六をしながら」清盛に語るところに意味があるのです。



「平清盛」において双六は、必ずといっていいほど重要な場面に登場します。



第一回「ふたりの父」で、祇園女御(松田聖子)と幼い清盛が双六遊びに
興じていたシーンを思い出してください。



双六勝負に負けた祇園女御が、

「舞子も博打に強かった。妙なところが似るものじゃ」

としみじみ語る場面があります。



清盛の博打の強さは、白河院ではなく舞子から受け継いだ力なのです。



つまり

山法師や神輿を畏れぬ強さ → 迷信に立ち向かう強さ

さいころの強さ → 運命に立ち向かう強さ



その両者を兼ね備えた人物こそ清盛であり、
忠盛が「世になくてはならない存在」として、清盛を平氏の
嫡男とした理由が、ここで明かされるのです。



白河院の「もののけの血」と、舞子の「抗う力」、そして忠盛から
「武士として戦う力」を受け継いだ存在が、世になくてはならぬ男、
清盛なのです。




さらに重要なことが、鳥羽院の「亡き白河院にまだ振り回されておるようじゃ」
という台詞にも隠されています。



鳥羽院の口から幾度も発せられた「白河院」というフレーズ。



これを「清盛」に置き換えると、鳥羽院が恐れる「見えぬ力」の正体が
明らかになりますね。




蟄居部屋にて清盛が鳥羽院に矢を射るシーンにも象徴的に表れています。



要するに、

鳥羽院の体に流れるもののけの血を噴出させ、一滴も残らず
流れ出させた矢こそ、清盛という「もののけを超えた存在」
そのものであるということ。




乱暴な言い方をすれば、「清盛ってこんなにすげーヤツなんだぜ」なのですが、
三上博史氏の迫真の演技と、このシーンによって「『平清盛』のOP映像が
意味するもの」すら明らかにした脚本・演出には素直に感動、敬意を表したい。



ものすごく奥が深く、俳優さんの演技でさらに洗練された、
実に見ごたえのあるシーンでしたね。



まさに、第2シーズンを飾る回として、初回「ふたりの父」に勝るとも劣らぬ
秀逸な回であることは、視聴者の誰しもが感じたことでしょう。



今回は、非常に見どころの多い回でありましたし、あらゆるところで伏線を
回収しながら、さらに伏線を張り巡らせる脚本の巧さには賛辞を贈らざるを
得ませんね。



紙幅の都合上詳しくは書けませんが、忠正叔父が清盛の子らに
優しく接しているシーンも、保元の乱への伏線と見ると、
切なくなって仕方がありません。



さらに、清盛と本当の兄弟のように育った家盛が、とうとう清盛と対立し、
己が平氏の跡取りとなることを決意します。



はたして、急展開を迎えた物語は、保元の乱へ向けてどのように突っ走って
いくのでしょうか?



次回は、予告だけで一部の女子のハートをわしづかみにした
第14回「家盛決起」です。




次回予告でちらっと流れた「あのシーン」に乙女のように
心をときめかせているはわたしも同様ですけどね。



追記:
公式サイトにて、「平清盛」新キャストが発表されてます。
どいつもこいつもイロモノぞろいのようで……

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http://www9.nhk.or.jp/kiyomori/news/index.html



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