平清盛 第五回『海賊討伐』を観る | (不肖)大河ドラマ批評家「一大河」の批評レポート

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平清盛 第五回『海賊討伐』

$(自称)大河ドラマ批評家「一大河」の批評レポート

兵庫県神戸市 和田神社




◎『平清盛』登場人物/キャスト


「己のことしか考えぬ者たちによって、世が乱れておる!」
(高階通憲/信西)



【あらすじ】
忠盛と宗子の間に子ができた。
平五郎(のちの平頼盛)である。
その子もまた、小さき手にさだめを握って
生まれてきたのであった。


北面の武士の館に遅れてきた清盛に、佐藤義清が
気を引き締めるよう忠告する。
長引く飢饉により野盗が増えているからであった。


そこに、源義朝が現れ、ふたりはあいさつがわりの
けんかを始めてしまう。


義清は仲裁に入り、ふたりを館に招き入れる。
三人の若武者は、それぞれが志す武士のありかたに
ついて語り合うのだった。


朝廷では、鳥羽院が崇徳帝をないがしろにし、
政をほしいままにしていた。


その頃、藤原得子(美福門院)を連れた
藤原長実が、鳥羽院の后・璋子の慈悲を
たまわるべく参内していた。


宮中での実質的な権力を握っていた璋子は、
得子に目かけ、御所で預かることにする。


得子への目通りを願う璋子に、鳥羽院は
璋子が入内した理由を問う。


しかし、璋子は亡き白河院から寵愛を受けた
ことを恍惚の表情で語りだす。


怒り狂った鳥羽院は、彰子をもののけと罵り、
御所を飛び出す。
雷鳴の轟くなか、得子の姿を見定める。


璋子の言う通とおりにさせまいと、鳥羽院は
得子を自分の妃とし、得子もまた、鳥羽院の
思いを遂げさせるため、利用されることを誓う。


一方、藤原摂関家では、貴族たちが近年問題と
なっている海賊対策を話し合っていた。


藤原家成は、当世無双の博識と呼び声き高階通憲を
招き入れ、その意見を聞く。


通憲は、このまま海賊がはびこっていけば、貴族も
王家も困窮すると予告、その海賊の元凶こそ、
己のことしか顧みぬ為政者であると忠告する。


海賊討伐の命が平家一門に下された。
初陣となる西海の海賊討伐に、清盛は心を震わせる
のであった。


またしても平氏に遅れを取った源氏。
嫡男である義朝は、東国に修行に向かう。



【レビュー】
回を重ねるごとに面白くなっていく『平清盛』
久しぶりに登場した阿部サダヲ兄貴の高階通憲も
おもしろキャラとしての存在感
を示し、お茶の間の
笑いをさらっていったことでしょう。


今回一大河が注目したのは、鳥羽院、璋子、得子による
昼ドラも顔負けのドロドロ愛憎劇でござりまする。


璋子を「もののけ」と罵り、怒りをあらわにする鳥羽院の
顔芸演技も迫力を増し、見ていて
圧倒されてしまいました。
三上さんの演技、改めてすげぇ!


院の妃である女性が、「もののけ」と罵られるなど、
当時としては絶望の淵に叩き込まれるようなものだと
思うのですが… 鳥羽院ヤッチマッタナ…


さらに、「私を穢して下さりませ」と、それこそ
「鳥羽院の駒」にならんとする得子。

いやー、僕なら得子に誘惑されちゃうなー
という考えに至ることもなく、演技と演技のぶつかり合いに
見入ってしまいました。
この二人が織り成す復讐劇、実に楽しみでござりまする。


今や、鳥羽院のキャラソンとなった「今様」も、
悲しきもののけの儚さ、そして狂気を形容する曲として
定着してきましたね。



一方、平家一門では清盛と忠正の対立
ますます表層に出てきました。


注目したいのは、忠正の清盛に対する複雑な思い。
そのすべてが彼の台詞に盛り込まれていたように
思えます。


「わしにはお前が災いとしか思えぬ」


「お前がまこと兄上の子なら、少しぐらいの無頼が過ぎようとも
かわいい甥だと思うてやれただろう」

「そう思うとわしとて… 口惜しいのだ」



家を守ることが第一の使命である武士にとって、
家以外の、それも白河院の落し胤が嫡男として
やってくる、それが不安にならないはずがない。


由緒正しき政治家・総理大臣の家系に、どこのだれとも
知れぬ外国人が養子としてやってきて、しかも次期総理の
道がすでに決まっている
とか、不安でたまらんですよね(笑)


そのような恐れが、忠正にはあったのでしょう。
本当は、かわいい弟分として、同じ平氏一門を盛り立てる
仲間として育っていきたいのに。


忠正にとっても、清盛にとっても如何ともしがたいこと、
それが最終的に敵味方に分かれての戦になるとは、
悲しき定めにござりまする。



それはさておき、いよいよ海賊討伐へ出航のシーン。
平家一門の前に現れたのは、大波を物ともしない
巨大な海賊船。
久方ぶりに『タルカス』も流れ、高揚感バツグン!!


来週は西海の海賊王「兎丸」も登場し、いよいよ
船上の大乱戦。
この大殺陣に予算のほとんどをつぎ込んだとされています。
まさに大河ドラマの華でござりまする。


乞うご期待!



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