それはM-1の結果。
ずっと『真空ジェシカ』と『カベポスター』を推してると公言していますが、『さや香』が優勝でも構わない、と言っております。
どうなるかな。
本日の読書:お探し物は図書室まで 青山美智子
Amazonより
『2021年本屋大賞第2位!!「お探し物は、本ですか? 仕事ですか? 人生ですか?」仕事や人生に行き詰まりを感じている5人が訪れた、町の小さな図書室。彼らの背中を、不愛想だけど聞き上手な司書さんが、思いもよらない本のセレクトと可愛い付録で、後押しします。自分が本当に「探している物」に気がつき、明日への活力が満ちていくハートウォーミング小説。』
目次
・朋香 二十一歳 婦人服販売員
・諒 三十五歳 家具メーカー経理部
・夏美 四十歳 元雑誌編集者
・浩弥 三十歳 ニート
・正雄 六十五歳 定年退職
最近、本を読むのに時間がかかるようになった。
もしかしたら、読書力が落ちたというか、感受性が枯渇してきたのかと思ったりもしていた。
そうしたら、久しぶりに泣けた。
内定をくれたスーパーに勤めはじめたものの、自分の居場所を見つけられない朋香。
仕事は充実しているが、自分の夢に手を伸ばせない諒。
出産を機に今までの自分のキャリアをクリアしなけれなならなかった夏美。
自分の得意を否定されたとき、どうやって社会とかかわっていいのかわからなくなった浩弥。
定年後の毎日に、社会人としての居場所を見つけられない正雄。
泣くとしたら、現在の自分を鑑みて正雄の話だろうと思っていた。
だけど、多くの人が「泣いた」というのを聞くと、泣けない自分を知っている。
ところが、夏美のところで泣いたのだ。
夫は子どもができても生活が変わらないのに、育児に関することも家事に関することも自分に覆いかぶさり、休日も体を休める時間などなく、なのに職場では閑職に回される屈辱。
という、育児あるあるに泣いたわけではない。
なんだろうなあ。
苦しくて苦しくて、息ができなかったあの頃。
子どものことは大好きなのに、重い。
夫のことが信頼できない。
育児あるあると言われちゃうかなあ。
だけど、夏美の言動を読んでいると、涙があふれて、鼻がつまって、嗚咽をこらえるのが大変だった。
多分、波長があっちゃったんだろうな。
図書館が舞台で、司書のレファレンスがストーリーの肝だけれど、人生を変えたのは自分の行動。
自分が一歩を踏み出す決意をしなければ始まらない。
図書館はそのきっかけを差し出すだけ。
というところが良かったな。

