昨日はブログを更新しないで日をまたいでしまいました。
ブログを書こうとしていたんですけど、いや、書きかけていたんですけど、ドラマ「重版出来!」を見ながら書いていたら手が完全に止まってしまいました。

1話に関して言えばほぼ原作通り。
原作の絵があまり上手ではないので、マンガより却ってすっきりとわかりやすいかも。
たぶん営業の小泉君が原作より出番が多くなるのでしょうが、原作の世界を壊さずドラマを作っていってほしいものです。

小学館から出ている漫画が原作なので、小学館も特別協力しているようで、エンディングを見ると見覚えのある漫画家の名前も出てきます。
そして小日向さん演じる漫画家の絵がゆうきまさみ!

メジャーデビューしてからの作品は全然読んでないけど(ひどい!)、私はゆうきまさみのファン。
いや~、嬉しかった。
そして来週以降、どの漫画家が誰の作品を担当するのかが俄然楽しみになりました。

あ、前振りのつもりが随分力が入っちゃった。

朝ドラ「とと姉ちゃん」の話を書こうと思ってたんだけど…。
楽しみに視聴していらっしゃる方は、この先読まないでね。かなり毒を吐きます。

まだ一週間分しか見ていないから、この先どういう話になるのかわからないけど、お父さん(とと)の代わりに家族を守る少女が今回のヒロイン。

一週目にしてお父さんが亡くなってしまうのですが、死の間際に長女に言うわけです。
「これからはととの代わりにかかや妹たちを守ってやってくれ」と。
これを見て泣くほど怒りましたね、私。

この子は言われなくてもきっとけなげに家族のための自己犠牲を厭わないと思うの。ドラマを見ている限りでは。
だからこそ、親が子どもに重荷を負わせちゃだめだよ。
残していく家族のことが心配なら、妻や弟に頼むべき。

案の定家族の前で「これからは私がととの代わりになります」なんて宣言しちゃってさ。
じゃあ、本来の自分はどこに押しやるの?

うちの10さんは生きているけど、子ども3人が小学生だった時、単身赴任したことがあったのね。
私も10さんも、長男には何も言わなかったし、長男も私たちには何も言わなかったけど、「ぼくがこのうちで一番上の男だから」という気負いはひしひしと感じたものです。
残業や出張の時はどうしても長男を頼ることになりましたが、下のふたりの教育やしつけについてまで長男が悩むのは違う。(かなり悩んでいたけど)
そこは親が責任を持つところだから、兄は親ではないのだから、そんなに責任を感じることはないんだと何度も話しました。
で、単身赴任があけたとき、長男が実にやわらかい表情になっていたんです。
ああ、この子は2年間ずっと緊張して家族を守っていたのだなとつくづく思いましたよ。

言わなくたって、責任感の強い子は思いつめちゃうんです。
大好きな父が死の間際に頼んだ言葉が彼女にとって呪いにならないことを願ってなりません。
ドラマだけど、ドラマだからこそ、安直に人を縛ることをやめてほしいと思ったのでした。

全体に見せたい場面はあざといほど強調し、それ以外の細かなディテールの積み重ねがおろそかな気がしました。
半年間頑張って見続けた結果、出演俳優の皆さんに拒否反応を起こすようになってしまった「まれ」の例もありますので、あとしばらくは様子見しますがこの路線が続くのなら、10さんとの会話の糸口が一つ減ることになっても視聴をやめようかなあと思っています。


本日の読書:悼む人 天童荒太

Amazonより
『全国を放浪し、死者を悼む旅を続ける坂築静人。彼を巡り、夫を殺した女、 人間不信の雑誌記者、末期癌の母らのドラマが繰り広げられる』

死をテーマに感動を売り物にする小説は好きではないので、疑いながら疑いながら読んだ。
死者を悼む。
そこにその人が存在したことを忘れない。ずっと心に刻んでいく。
そういう旅を続ける坂築静人が主人公。

なぜ縁もゆかりもない人が、自腹を切って全国を旅しなければならないのか。
死者を悼むこと、それは宗教の仕事ではないのか。

死者の冥福を祈るのは来世の話。
死者の存在を心に刻むのは現世の話。
宗教とはありようが違うのですね。

どんな人も誰かを愛し、誰かから愛され、感謝された存在である。
その静人の信念は、時として遺族の心を傷つけることもあり、静人にとってさえ精神的に辛く思えるもの。
正直最後まで読んでも、静人の行動や心情を理解できたとは思わないけど、ずっと覚えていてくれる人がいるというのは、何らかの赦しを与えられたような気がします。
それは大きな意味での「愛」…なの?

“誰かのためにね、その人のためになら、自分が少しくらい損をしてもいいって思えたら…それはもう、愛でいいのよ。”

しかし静人の愛は、家族に向かないの?
個人が家族を犠牲にして行う赦しは、社会の甘えではないの?

読んで胸がつまるような思いをしましたが、読後ちょっとモヤモヤしました。



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