久しぶりのアニチェンの更新となりました。
今回は、三人称となった話です。
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日本政府によって芸能に携わる人間の動物変化現象の対応政策が緊急に立法化されるというニュースは、日本国内のみならず海外のマスコミも注目した。

先ずは、動物変化を既に経験している者から様々な身体検査からどんな動物に変化するのか、近くにいる親族のデータ・体毛や瞳の色・どんな食べ物で人に戻れるかまで事細かく調査され特殊な身分証明書が発行されたのである。

その名も『動物変化内容身分証明書』通称『アニチェンID』なる物が交付された。

更に加えて、パスポートや免許証等の様々な身分証明書にまで特殊身体データとして変化する動物のデータが記載されてそのパーナルデータがICチップに入れられているとのこと。

それに加え、海外に行った際も入国審査等で必ず提示しなければならないらしい。
かなり面倒くさい事になってしまったが、お母さんもアメリカに行くことが決まっていたので直ぐ様、検査を受け速攻でIDを作って貰い交付されたらしい。

そのニュースが流れて数日後、成田空港にキョーコと久遠(本来の姿になってるので)、藤堂奨に片桐憲一の姿があった。
そう今日は、キョーコの母である最上冴菜がアメリカへと発つ日。全員でお見送りに来ているのだ。

「それじゃあ、そろそろ時間なので行きますね。藤堂さん、片桐先生、久遠君、娘をどうか宜しくお願いします。」

「任しとけ。我々が付いていれば鬼に金棒だろ!何せ、狼が2頭とクロコダイルがガードしてるんだからな。わはは😁」

にかっと笑い胸を自身の胸をドンと叩き、冗談混じりに話す片桐弁護士。
5人の周囲には、空港を利用する客達(日本人)が皆を興味津々と見ていた。

マスコミや一般人が野次馬と化して見ていたがプライベートな場面かつ警察官や警備員さらにSPらしき人物が大勢アチコチにいたために、カメラに撮られたりスマホ等で写真を撮ることが出来なかったので、SNS等で拡散される事はなかった。

それにマスコミは、キョーコ達が目当てではなかった。
たまたま偶然、居合わせてしまっただけなのである。

「お母さん、お仕事頑張ってね。それとこれ…かなり遅くなったけど、母の日プレゼント。良かったら使ってください。」

実はキョーコは、今年の春『泥中の蓮』のオーディションに挑む前に母と対峙した後、母の日のプレゼントを購入し渡そうと思っていたが、中々タイミングが合わせられなくて渡せず仕舞いになっていたプレゼントを冴菜に差し出した。

「万年筆なんだけど…仕事にも使える物がいいかな?と思って買った物なの。どうかな…?」

キョーコが差し出した、ラッピングされた細長い小箱と添えられた1本のカーネーション(生花ではなくキョーコ手作りの本物そっくりに作られた造花。※生花は機内に持ち込めないので)を冴菜は黙って受け取った。すると…笑顔になり……

「ありがとう……今まで母親らしい事、あまりしてこれなかったのに。ごめんなさいねキョーコ、産まれてきた子供には罪は無いのに無限な態度をずっととってしまっていた私を許してなんて言えないけれど……」

「ううんいいの。お母さんも私と同じで不器用なだけだったのよね。愛情表現が下手なだけの所謂ツンデレってタイプなのかな?
大丈夫!今の私には、頼れる大親友やこうしていずれは義理のお父さんになる人もいるし。カッコいいハトコのお兄さんに、ちょっと怖いけど敏腕弁護士が付いてるから!安心していいのよ。」


キョーコは、両腕を腰にやりニヒヒと笑うと周りにいた人迄もがブッと笑い声を出してしまっていた。


「ねぇ、あれってさ京子だよね?何かイメージ全然違うよね。」
「うんそうだよね。イジメ役のイメージあったけど何か普段は、可愛らしい女の子なのね。」
「鰐憲先生や藤堂先生までいるじゃん。っつーかあの金髪イケメン誰?」


野次馬達がこそこそと話していると、搭乗時間が迫ってきたので冴菜は最後に久遠に何やら囁き変な注意をして皆と別れ、搭乗口へと向かっていった。
何を言ったかは、二人だけの秘密である。

「俺ってそんなに信用ないかな……💧?」

ボソッと久遠は、冷や汗を流しながらため息を吐くと4人は冴菜の姿が見えなくなるまでその場から離れずいて、暫く経つと全員一緒に反対方向へと歩きだした。

「コーンさっきお母さんに何を言われたの?」

キョーコは、何を言われたのか気になってしまい久遠に聞いたが…彼はキョーコの顔をじっと見つめると、人差し指を自身の口元に当ててウィンクをしながら言った。

「それはまだ秘密。」

「僕はなんと無く分かったけどね。キョーコちゃん寝室は離れた部屋にしなさい。寝るときは鍵をかけるように!」

「私も分かったな。男親でも心配することだし。キョーコちゃんも一応、身内とは言え久遠君も成人したばかりの若い男性なんだから気を付けなさいね。」

藤堂・片桐弁護士両人がキョーコに久遠に気を付けるように喚起してきたが、当のキョーコはその意味が分からず首を傾げている。


「それにしても本当に物々しい警備だな。」

「仕方ないですよ、今日はアメリカのアルゴ大統領が来日する日ですからね。」

「そんな日に最上はアメリカへと発つなんてな。まあ私達には関係の無いことだし。さあ皆行こう、そろそろお昼時にもなるから何処かで食べていかないか?」

片桐弁護士の案で空港内のレストランエリアに映り食事をしようと言うことになりそちらに移動を始めた。

全員この時は、数十分後に空港内であるパニックが起きるとも知らずにいたのである。

23 へ。
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久しぶりに、アニチェンパニックを更新しました。
それと流石にアメリカ大統領の名前を同じにしたら、ヤバいと思い架空の人物の名前へと変えました。
ト◯◯プは、まずかろう(^_^;)
なので、カードゲームの種類を調べていたら何か語呂がいいなと思った『アルゴゲーム』なる物を発見。
そこから名付けた次第です。

2019.10.7  一部修正・追加