今日の昼御飯は、堀江町の「みなと食堂」。
なべ焼きうどん 550円、巻き寿司 350円。
じゅんさんのブログ で紹介されていた「みなと食堂 」に初訪問。場所は堀江港の真正面。数十メートル離れた場所に駐車場10台分。かつて堀江港は呉行のフェリーの発着地で多くの旅客で賑わったものらしい。本日は釣り大会など開かれているみたいだったが、まずはのんびりとした漁港のたたずまいです。
入口にはキッチリと自動ドア。オリジナルのレトロでお洒落な雰囲気のポスター、定番らしいなべ焼きうどんのこれもレトロなチラシが貼ってあったりして少し戸惑う。広々とした店内には贅沢な間隔を置いたテーブル5席、小上がり3席。大きなオープンキッチンの前にカウンター席。日曜の昼過ぎとあって、店内はほぼ満席。小上がりは3組とも小さな子供連れのファミリー客で賑わってます。
お店のイチオシらしいなべ焼きうどん、それとじゅんさんお勧めの巻き寿司を注文。もっとも巻き寿司はいなり寿司、ちらし寿司(ともに250円)などとともにテーブルに並べてあっておばちゃんに言わずとも自分で取ってこれるのだが。
うどんのほかに中華そば、カレー、オムライス、ヤキメシ、各種丼物、各種定食、日替り定食(680円)など街の食堂にありそうなものは何でもある。単品のおつまみメニューもある。日本そば、そうめん、もつ鍋まであります。
巻き寿司の断面がツヤツヤと光っている。あまり見かけたことのない色白のカンピョウ、そして煮あなご。見た目通り素朴でかつノーブルな巻き寿司だ。たっぷり5個という分量もうれしいね。
なべ焼きうどんはまさに王道の味わい。一口すすって甘さを堪能。チクワ、カマボコ、スマキ、玉子、牛肉煮などがキッチリと居並んで、主役の麺はふわふわとした食感。途中で七味をパッパと振りかけていただきます。トロリと溶け出る玉子の具合もなかなかよろしい。
とても美味しいと思うね。うどんに関して言えば、私には人格形成時に刷り込まれた讃岐うどんの強固な壁みたいなものがあって、正直なところ松山の街中の有名鍋焼きうどん店なども本当に旨いと思ったことはない。味はともかくとして歴史的に意義があるとか、地元の人の思い入れがあるとか、つまりは理屈で納得しようとしていただけのように思う。
しかるにこのなべ焼きうどんは、はじめてしみじみ旨いと感じた松山風鍋焼きうどんかもしれない。どうしてそう感じたのかはよく分からなかったけれど。
食べ終わる頃にはさらに続々とお客さんがやってきてウェイティングがでそうなほど。頻繁に電話が鳴って、お兄さんが軽自動車で出前に出かける。持ち帰りを取りにくるおばあさんもいる。常連のファミリー客さんはなべ焼きうどんなどではなく、てんでに好きなものを注文する。オムライスとか中華そばとか唐揚げ定食とか。地元のお客さんにとても愛されてる感じがする。こういうお店が近所に存在するのはお客さんにとっても幸せなことだよね。
お店は厨房の男性2名、フロア係のおばさん1名、出前もこなす大変愛想のいいお兄さん1名。家族でやっておられるらしく、みなさんキビキビと働きながらもアットホームでいい雰囲気だ。
年代を感じさせる柱や壁、分厚いカウンター。このお店では歴史に基づくトラディショナルなレトロと、お店の若い人たちが作り出そうとするコマーシャリズム的なレトロが実にうまく調和しているのだ。空間デザイナーなどと称する人たちがでっちあげる、付け焼刃の昭和テイストなど年季が違いまっせという感じ。入口で感じた微妙な違和感が、後には非常に心強いものに思えてきた。守勢一方ではなく、前向きに前進しようとしている。伝統を武器として、新しいお店を切り開こうとしている感じ。それが美味しいなべ焼きうどんのキーワードかもしれないなと思いつつ、次の客のために席を立った。