◎前回のお話



旦那のオイタはさておき


私は新年に成人式を迎えた。



みんなは華やかに振袖だったが私はスーツで出席した。



思えば振袖もウエディングドレスも着なかった。



切ないなぁ…何て思いながら懐かしいみんなに挨拶をする。



『もーーさぁん!!!』



仲良しの同級生がハグをしてくれる。




みんな綺麗でいつの間にか大人になってて



私は主婦真っ只中で




先を行き過ぎたような、おいてけぼりなような…寂しい感覚になった。




スーツを着た自分は幸せだ!そう自分に言い聞かせた。





その日は雪が積もっていた。



旦那に


『スーツの方が断然楽ちんだよねー!』



と笑って言った。





親は


『振袖姿も見せられないなんて親不孝ねー』


と、イヤミを言った。





車で旦那が迎えに来てくれた。



後ろの席には息子が座っていた。




『ねぇねぇ』




『どうしたー?楽しかった?』




『楽しかったよー』



車の外を振袖を着た女の子たちが歩いている。




やっぱり少し私とは別の世界の出来事に見えてしまう。




20歳にして育児、借金、ギャンブル、介護…



いろんなものに出くわして




きっとみんなが今楽しんであろうことが出来ない自分。





私が選んだ人生…




『ねえ、いつかうちの生活が楽になってちょっと余裕が出来たらさ』




『ん?』




『結婚式してね?』




『うん。』




『痩せなきゃね。笑』





私の選んだ道は間違ってない。




何十年経ってもきっとこの人といて




何があっても乗り越えていける…






ここから4年後私たちは離婚する。



そんなことは全く知らない20歳の1月15日。