トリノ五輪をもっと楽しむために……「女子フィギュアスケート」(八木沼純子) | 自分残思徒然

トリノ五輪をもっと楽しむために……「女子フィギュアスケート」(八木沼純子)

 
八木沼 純子
女子フィギュアスケート―氷上に描く物語
 
 
カルガリーオリンピック女子フィギュアスケートでの日本代表であり、現在はプロフィギュアスケーターとしてアイスショーで活躍する著者が、女子フィギュアスケートの魅力や視点を紹介した本。彼女自身のプレーヤーとしての体験から女子フィギュアスケートが分かりやすく語られており、入門書的な内容となっている。通勤時間を使って読めるようなものであり、今からトリノオリンピックをもっと楽しみたいって思っている人にもお勧めできる内容。ちなみに女子フィギュアスケートは21日から競技開始。
 
 
特に彼女自身の体験から、オリンピックの舞台についてや、フィギュアスケートの競技についても分かりやすく語られているのが嬉しい。選手とコーチとの関係や新採点方式のメリットとデメリット。素人目には本当に分からないジャンプのことや、女子フィギュアスケートという競技の方法とその優劣の決め方まで。また、女子フィギュアスケートでトップに立つには、どれほどの努力が必要かも触れられており(特に彼女自身のスケーターとしての一日のタイムスケジュールが記されており、それを見ると、どれだけ大変かが分かる)、やはり、オリンピックに立つ人物というのは、隠れた部分での積み重ねがいかに大事であるかを知ることができる。そしてトリノオリンピック開幕前には、年齢制限の問題でかなり話題となった浅田真央選手のことも、本著を読むと考えさせられるものがあったりする。
 
 
また、本著の中ではたびたび、実際にトッププレーヤーとして活躍した選手でなければ決して知りえることのできないような表現が、ところどころに散りばめられていて、その表現方法もとても分かりやすいものとなっている。例えば…
 
 
──アイスホッケー用のリンクが、パックがよく見えるようにわざと白く凍らせるのに対して、フィギュアスケート用のリンクは、良い状態にあるとほんのり、グリーンがかって見える。早朝、静まり返ったリンクは、薄っすらと靄がかかっていて幻想的ですらある──「女子フィギュアスケート」(八木沼純子)より引用
 
 

だからこそ、とても感情移入しつつ読むことができ、そして女子フィギュアスケートを分かりやすく解説できていると感じる。

 

 

ちなみに自分も昨年12月、初めて女子フィギュアスケートをこの眼で実際に見て、その魅力に虜になったひとり(詳しくは12月3日の記事、「村主章枝、マジ感動した 」にて)。テレビからはなかなか伝わってこない「迫力」、「スピード感」、「存在感」には特に圧倒され、今でも強烈に心に残っている。だからこそではないが、女子フィギュアスケートをトリノオリンピックで見るのを楽しみにしている。日本からは村主のほかに、安藤と荒川の計3選手ががオリンピックの舞台に立つが、彼女たちには本当、結果などは気にせず、今の力を十分に発揮し、食いの残らないようなスケートをしてほしいと思っている。そうすることが、多くの人を勇気づけることができるのだから。

 
 
八木沼 純子
女子フィギュアスケート―氷上に描く物語
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