2007年、スペイン映画。ジャウマ・バラゲロ監督は、この映画で有名になり、REC関連だけで5作品メガホンを取った。スペイン製のパニック・ホラーの金字塔である。

 

シッチェス映画祭などなどの9つの映画祭で喝采を浴びた。だが、有名な映画祭ではなく、ホラー映画特有の「マイナーさ」を完結しているように感じる。

 

プロフェッショナルな人々の仕事に密着するドキュメンタリー番組のため毎晩取材に励むローカルテレビ局のレポーター、アンヘラ。彼女はカメラマンのパブロと共に、今夜は消防士の同行取材を行なっていた。

 

深夜、アパートの住人から“隣に住む老婆の叫びや殺してやるという声を聞いた”との通報が入り、さっそく現場へ向かう。警官たちも駆けつけたそのアパートには、怯える住人たちを横目に朦朧と立つ血まみれの老婆の姿があった。

 

すると突然、彼女は手を差し伸べてきた警官に襲いかかる。そして消防士たちは重傷を負った警官を運び出そうとするが…

警察によって外から封鎖され隔離状態となってしまう。やがてアンヘラたちは、このアパートの住人に未知の病原菌が感染拡散していることを知るのだが…。

 

手持ちカメラによる主観映像でリアリスティックに描く作風は、「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」や「クローバーフィールド/HAKAISHA」と同じくモキュメンタリー作品とも言える。

 

もちろん、本国スペインでは大ヒット。ハリウッドでもリメイク版が制作され(「REC:レック/ザ・クアランティン」)として2008年10月に公開された。

 

とにかく、怖いのである。

このモキュメンタリー作品の特徴なのだが、日常から非日常へと突然にして変わってしまうのが凄い。

 

人を助ける消防士や警察官が「助けてくれ~~~!」に変貌する様は、見ているものを不安にさせ、そして恐怖のどん底に叩きつけられる。

 

日本風の幽霊(お化け)が出るのではなく、閉じ込められた空間に、しかも真っ暗闇に肉体を乗っ取られたアイツが出てくるのだ。

もう、気持ち悪くって、映画を見終わっても「ゾクッ!」としてしまう。

 

これは、映画館で観たという人は少数だと思う。

DVDで観ても、むっちゃ怖い。

 

ボクは映画は一人で楽しむものだと勝手に解釈をしている。

なので、時間がある方には、是非とも恐怖のどん底に叩きこまれて欲しいと思う。