天使に恋は難しい ~29~ | 櫻葉と嵐を愛し、画く世界

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➖Sサイド➖


「きゃ〜、何これぇ〜、キショかわでちょ〜エモいんだけど〜」

「ゲトる?」

「ありよりのありぃ。ゲトろ〜ゲトろ〜」


は?
なんだこの生き物は

ゲトる??

getる・・・ゲットするって
まさか
買って帰るつもりか⁈

それはヤバい!!


慌てて俺は二人に詰め寄った

『失礼。それ、俺が予約していた鉢植えです』

「え⁈ 何このおっさんヤバくない?ビジュ爆発なんだけど〜」

「一緒に写真撮ってくれたら許すぅ?」

「い〜ね〜♪ 映える映えるぅ」



なんで俺がこんな生き物と…
がしかし
背に腹はかえられぬ


パシャ パシャ パシャ

笑えという言葉に引き攣りながら口角を上げ
写真を撮ってから

速攻でレジへ行き金を支払い
持ち帰ってきた、
まではいいが

俺の部屋は北向きで窓が小さく
陽射しが殆ど入らない

適度に陽の当たるところに置くようにと店員は言っていたが、
適度に陽の当たるスペースは我が家はリビングの窓際くらいだ

仕方ない


アイツが寝静まってから話せばいいか…




そして
深夜











〝おっほっほ。そんな怖い顔で睨まないでおくれ〟

『睨んでおりません。もともとこういう顔です』


〝なかなかいい隠れ家じゃないか?〟

『・・本題に入ります。これ以上の長居は危険です。全てご覧になってましたよね?』


〝あの子が望んだことなのだよ。人の心を知りたい、と〟

『けれどもっ…』


〝あの子にはお前がついている。
これからも頼んだよ、護ってやっておくれ〟

『ゼウス様…っ…』


〝おやおや。どうやら気づかれたようだ。
あいかわらず勘の鋭い子だ。
…じゃ、また会いにくるよ、ショウ…〟






背後に感じるマサキの気配をスルーし

俺は自分の部屋へ戻り、ドアを閉めた




つづく………




ガジュマルの木は
そういう役割があったのね