葉真中顕 「凍てつく太陽」を読みました、初めての作家。 | ゴルフ命おじさんのブログ

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葉真中顕 「凍てつく太陽」を読みました、初めての作家。

「昭和二十年、終戦間際の北海道・室蘭。逼迫した戦況を一変させるという陸軍の軍事機密をめぐり、軍需工場の関係者が次々と毒殺される。アイヌ出身の特高刑事・日崎八尋は「拷問王」の異名を持つ先輩刑事の三影らとともに捜査に加わるが、事件の背後で暗躍する者たちに翻弄されていく――。真の「国賊」は誰なのか? かつてない「戦中」警察小説!

 

敗戦が濃厚となった大東亜戦争末期の北海道で、特高警察官、憲兵、陸軍が繰り広げる陰謀と裏切りの物語。アイヌをルーツとする特高警察官の八尋、アイヌを毛嫌いし八尋にとことん残酷に接する同じく特高の三影、八尋と複雑なかかわりを持ち腐れ縁となるヨンチュン、陸軍関係者を次々と襲う連続毒殺魔のスルク、主要な登場人物達がすごく丁寧に描写されている。国や民族の利害、対立、争いの無情を前にしたとき、国の概念を持たず、自然と共生するアイヌの生き方が魅力的に感じる。

 

小説の後半に出てくる実際の室蘭空襲等は調べると大変な惨状だったようです。

残酷な戦争が人の心までおかしくするということが良く理解できました。

良い小説でした!!!!!